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Friday, January 31, 2014

ストロベリーナイト (映画) / Strawberry Night (film)



誉田哲也のインビジブルレインを原作としたフジテレビ制作の映画作品。そもそもは単発の2時間スペシャルで発表後、視聴率が良かったためか否か、連続ドラマ版の放送が開始され、その後映画版である本作が発表されたようだ。原作も主人公である「姫川玲子」シリーズとして既に5作品がリリースされているが、シリーズ1冊目のタイトルであるストロベリーナイトのタイトルがTVから映画へと続く一連の映像作品のタイトルに採用されている。と、ここまで書いた前知識はすべて本作鑑賞後に調べたもので、実はTVドラマの事や警察モノであることさえ知らなかったため、本当に真っ白な状態で鑑賞した。

暴力団、龍崎組組員である小林の刺殺遺体が発見された。遺体の左目には縦に切りつけられたキズ、部屋の壁の特徴的な血しぶきなどから、直近で起こった2つの暴力団員殺人事件との類似性が指摘された。警視庁は暴力団の内部抗争の線と連続殺人事件の両面から捜査を開始した。一方、捜査一課の姫川は小林殺しの犯人は「柳井健斗」であるという密告電話を受けるが、その事を相談した上司から「この件には一切触れるな!」と強い指示を受ける。あくまで事件の真実を追い求める姫川は、単独で捜査を開始した…。

主人公の姫川玲子は、何か血なまぐさい過去を持つも、リーダーとして捜査班を自ら率いるほどなので、仕事の出来る刑事だというのは想像に容易だが、その「過去」は、殺人事件の重要関係者であり、よりによって暴力団組長である男に、車の中で抱かれてしまうほどのモノなのだろうか。武田鉄矢扮する勝俣なるベテラン刑事が唐突に出てきて、汚れ仕事みたいな事を裏で淡々とこなしているようだが、どういう事だろう。目玉焼きの乗ったカレーは、わざわざ真上からクローズアップするほど意味があるのか。あらかじめTVドラマを見ていなくても理解できるストーリーであり作品の質は高い。ただ、やっぱりTVドラマを見てた方が楽しめたかなと。最後のヤマ場である記者会見のシーンでは展開に現実感が全く無くかなり無理を感じる。脚本次第でどうにでもなったはずで残念。(SS)


製作: 20012年 日本 127分
監督: 佐藤祐市 / Yuichi SATO
原作: 誉田哲也 / Tetsuya HONDA「インビジブルレイン」
出演: 竹内結子 / Yuko TAKEUCHI, 西島秀俊 / Hicetoshi NISHIJIMA大沢たかお / Takao OSAWA小出恵介 / Keisuke KOIDE宇梶剛士 / Tsuyoshi UKAJI, 丸山隆平 / Ryuhei MARUYAMA, 三浦友和 / Tomokazu MIURA, 渡辺いっけい / Ikkei WATANABE, 遠藤憲一 / Kenichi WATANABE, 高嶋政宏 / Masahiro TAKASHIMA, 生瀬勝久 / Katsuhisa NAMASE, 武田鉄矢 / Tetsuya TAKEDA, 菅田俊 / Shun SUGATA, 金子賢 / Ken KANEKO, 鶴見辰吾 / Shingo TSURUMI, 石橋蓮司 / Renji ISHIBASHI, 津川雅彦 / MasahikoTSUGAWA
ジャンル: サスペンス
鑑賞方法: Blu-ray

Monday, January 27, 2014

外事警察 その男に騙されるな (映画) / Black Dawn (film)



麻生幾の小説「外事警察 CODE:ジャスミン」を原作とした、NHK制作のTVドラマ「外事警察」の大ヒットを受けて制作された劇場公開版。TV版に引き続き主演は渡部篤郎、新たな共演にはキム・ガンウや真木よう子など。

3.11大震災の混乱の中、被災した東北地方の大学研究施設で原子力関連の極秘データを内包したハードディスクが何者かに盗まれた。その5ヶ月後朝鮮半島の「ある国」から濃縮ウランが日本へ持ち込まれたとの情報がCIAよりもたらされた。盗まれたデータと濃縮ウランで製造できるものはただ1つ。日本における核テロの脅威が現実味を帯びる最中、住本班は5年前に韓国から来日し、日本人女性と結婚して日本国籍を取得した奥田正秀を徹底的に監視していた。住本は奥田の妻である果織に近づき、協力者として取り込むべく工作活動を開始した矢先、住本が何者かに襲われてしまう…。

TV版と劇場版ではストーリーが異なるので一概に比較は出来ないが、本作の魅力は尾行、張り込みや民間人を協力者として取り込む活動など、映像的には地味だがしかしリアルで緊張感のある工作活動に加え、「公安の魔物」と呼ばれる住本のダークな存在感と相手を容赦なく陥れる冷徹なキャラクター、つまり派手な銃撃戦や大量火薬を使用したシーンなどでは決して無いのだが、劇場版ではそうしたミーハー的な要素が多く織り込まれており、本来の「外事警察」が持つ魅力を半減させているような気がする。とは言っても、もちろん劇場版から見始める人もいる訳で、この辺のバランスは難しいところだろうが、それを差し引いても、ラストの山場における爆弾解除シーンには少々白けてしまった。(SS)

製作: 2012年 日本 128分
原作: 麻生幾「外事警察 CODE:ジャスミン」
監督: 堀切園健太郎 / Kentaro HORIKIRIZONO
出演: 渡部篤郎 / Atsurou WATABE, 尾野真千子 / Machiko ONO, 真木よう子 / Yoko MAKI, 遠藤憲一 / Kenichi ENDO, 余貴美子 / Kimiko YO, 石橋凌 / Ryo ISHIBASHI, 北見敏之 / Toshiyuki KITAMI, 滝藤賢一 / Kenichi TAKITO, 渋川清彦 / Kiyohiko SHIBUKAWA, キム・ガンウ / Kang Woo KIM, イム・ヒョンジュ / Hyung Joo LI, 田中泯 / Min TANAKA
ジャンル: サスペンス
鑑賞方法: DVD

Sunday, January 26, 2014

外事警察 (TV)

★★

麻生幾著「外事警察」を原作としたNHK渾身のドラマ。NHK製作のドラマは秀逸な作品が多く、本作もTV公開当初より話題となり映画化も果たした。外事警察とは公安警察に所属する、外国の諜報機関による諜報活動や対テロリズム捜査の精鋭部隊である。

決して世の中に知られることのない対国際テロ捜査活動を行う部隊「警視庁公安部外事課」。秘密捜査班のリーダーである住本健司の元へ国際テロリスト「フィッシュ」の潜伏情報がもたらされた。各国の首脳が出席する「対テロ国際会議」の開催を間近に控えいる最中、住本は「フィッシュ」と繋がっていると疑われるある国の外交官の監視を続けていた。外交官を追い込むことで自らの協力者になるよう工作活動を進める住本。しかし、そんな住本の目の前で不測の事態が発生する…。

作中では外事警察によるテロリストの監視活動や協力者の獲得プロセスなどが事細かく描写されており、原作の完成度の高さが伺える。諜報活動のためなら手段を選ばない冷徹な住本を演じる渡部篤郎はハマり役。石橋凌や遠藤憲一とは違う、陰のある捜査官を見事に演じている。もう一人のハマり役は余貴美子演じる内閣官房長官。政治家としての欲望が丸出しでかつ、臭いものは触りたくないという、醜悪な雰囲気が漂う女性政治家を顔と態度で見事に演じきっている。

一般人である我々が普段ほとんど目にすることの無い公安警察の実態に光を当てた骨太な原作が元だけに、本作もNHKらしい重厚な作品に仕上がった。丁寧な散りばめられた伏線をきっちりと回収してなお、最後の最後に"どんでん返し"的なトリックが仕込まれた秀逸な脚本に脱帽。(SS)

製作: 2009年 日本
原作: 麻生幾「外事警察」
出演: 渡部篤郎 / Atsurou WATABE, 石田ゆり子 / Yuriko ISHIDA, 尾野真千子 / Machiko ONO, 遠藤憲一 / Kenichi ENDO, 余貴美子 / Kimiko YO, 石橋凌 / Ryo ISHIBASHI, 片岡礼子 / Reiko KATAOKA, 北見敏之 / Toshiyuki KITAMI, 滝藤賢一 / Kenichi TAKITO, 渋川清彦 / Kiyohiko SHIBUKAWA, 平岳大 / Takehiro HIRA, イアン・ムーア / Ian MOORE, アラン・ロワ / Alain ROY
ジャンル: TV, サスペンス
鑑賞方法: DVD
エピソード: 
 第1話 「テロリスト潜入!」
 第2話 「協力者」
 第3話 「囮(おとり)」
 第4話 「裏切り」
 第5話 「突入」
 第6話 「その男に騙されるな」

Saturday, January 25, 2014

プラチナデータ (映画) / Platina Data (film)



いきなりだがプラチナデータを正しく英語記述すると、Platinum Dataとなるが、ここはパッケージ表記に従って、Platina Dataとしておく。また、何を意識したのか、作中におけるテロップや字幕スーパーの英語表記がかなりメチャクチャなのも、本作の突っ込みどころだが、それはそれでWikipediaにてしっかりと総ツッコミを受けているようなので、ここでは割愛する。ということで、東野圭吾の同名ベストセラー小説を原作とした本作は、主演が二宮和也という「ジャニタレ」を担いでいるため、それほど興味を持たなかったのだが、何しろストーリーが面白そうなので鑑賞してみることにした。共演には豊川悦司や鈴木保奈美など。

政府は全国民のDNAデータ "プラチナデータ" を極秘裏に収集、事件捜査に活用していた。この画期的なDNA捜査システムを開発したのは、警察庁の転載科学者である神楽(二宮)。そんな中、猟奇連続殺人事件が発生。現場に残されたDNAを解析したところ、システムが導き出した犯人は神楽自身だった。同じ頃、現場叩き上げの敏腕刑事、浅間(豊川)は現場の防犯カメラに残された映像から、神楽を犯人と睨んで行動を開始していた…。

陳腐な英語テロップでまず白けた。何を意識したのか不明だが、少なくとも日本語版作品なら英語テロップは不要だろう。また、二宮の演技が残念。叫び声を上げるシーンでは思わず笑ってしまった。見た目は「天才科学者」風情が出ているのだが、軽いアクションも交じる後半の逃亡シーンにおいては少々迫力が欠ける。2時間ドラマでよくある「一見関係なさそうな役だけど、有名俳優が演じていると急に怪しい人に見える」というアレだが、本作では鈴木保奈美がソレ。(SS)


製作: 2013年 日本 136分
監督: 大友啓史 / Keishi OTOMO
製作: 
出演: 二宮和也 / Kazuya NINOMIYA, 豊川悦司 / Etsushi TOYOKAWA, 鈴木保奈美 / Honami SUZUKI, 生瀬勝久 / Katsuhisa NAMASE, 杏 / An, 水原希子 / Kiko MIZUHARA, 遠藤要 / Kaname ENDO, 中村育二 / Ikuji NAKAMURA 
ジャンル: サスペンス, ミステリー
鑑賞方法: Blu-ray

Thursday, January 23, 2014

半沢直樹 / Hanzawa Naoki



池井戸潤による小説「半沢直樹シリーズ」を原作としたTBSによるテレビドラマ作品。実際の放送時には妻が見るよう勧めてくれたのだが、既に初回を見逃していたことや、毎回1週間も待つのが嫌で、ジっとDVDが発売されるのを待つこと数ヶ月。その間驚異的な視聴率や、流行語大賞になった「やられたらやり返す!倍返しだ!」など、この手の話題をかっさらっていたので、いよいよ原作小説でも読もうかと思ったのだが、経験則からいうと小説は実写よりも面白いというのが定説のためこちらも我慢。年が明けてやっと観ることができた。主演は堺雅人。ドラマは『オレたちバブル入行組』を原作とした大阪西支店編と『オレたち花のバブル組』を原作とする東京本店編に2部構成となっている。

半沢直樹(堺雅人)は入行式の席で、同期の渡真利(及川光博)に「銀行でなにをやりたい?」と問われ「俺は上を目指す」と言い放つ。半沢には上を目指さなければならない理由があった。半沢の父が経営するネジ工場の経営が傾いた際、メインバンクであった産業中央銀行は融資を引き上げてしまい父が自殺してしまったのだ。父の仇を取るために半沢は産業中央銀行に入行する。その後産業中央銀行は東京第一銀行と合併し、世界第3位のメガバンクである東京中央銀行となったが、深層では旧東京第一派と旧産業中央派の醜い派閥争いが繰り広げられていた。そんななか半沢は大阪西支店融資課長としてその腕を振るっていたが、支店長の浅野(石丸幹二)より、これまで全く取引のなかった西大阪スチールへの5億の融資話を持ちかけられる。融資は半沢の審査を経ること無く浅野の独断によって実行されたが、そんな折西大阪スチールの粉飾決算が発覚する…。

一言でいえば「爽快」。現代劇だが水戸黄門や大岡越前などの名作時代劇にも通づる分かりやすい敵味方の構図。立場の弱い下位の者が上位を討つ、という日本人にウケの良い脚本。上司に大して啖呵を飛ばして大見得を切るという、サラリーマンなら誰もが思いつつなかなか出来ないある種の夢を正々堂々とやってしまう半沢。そして最後はやり過ぎのハッピーエンド。経済ドラマという体だが、その実は赤穂浪士のような敵討+人間ドラマと言っていい。ストーリーもさることながら、石丸幹二、片岡愛之助や滝藤賢一など、脇役陣の演技も秀逸。特にのファーストクラスは緋田康人と香川照之。イヤらしく汚い銀行上層部の人間を演じる緋田は、もう観ているだけで胸クソが悪くなるほどの演技。香川照之にいたっては、もはやコロッケを超えた「顔芸」。目と頬の筋肉だけで役の心の中を演じている。そして半沢との最後の対峙はまさに驚愕の演技で目が話せない。なお、最初に「爽快」と書いたが、それはラストシーンの5分前までである。その後のラストシーンは賛否両論だろうが、次回作を如実に匂わせるもので、TVらしいといえばそれまでかもしれない。(SS)


製作: 2013年 日本
製作: TBS 
原作: 池井戸潤『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』
出演: 堺雅人 / Masato SAKAI, 上戸彩 / Aya UETO, 及川光博 / Mitsuhiro OIKAWA, 笑福亭鶴瓶 / Tsurube SHOUHUKUTEI, 北大路欣也 / Kinya KITAOUJI, 香川照之 / Teruyuki KAGAWA, 片岡愛之助 / Ainosuke KATAOKA, 滝藤賢一 / Kenichi TAKITO, 宮川一朗太 / Ichirouta MIYAGAWA, モロ師岡 / Moro MOROOKA, 森田順平 / junpei MORITA, 岡田浩暉 / Koki OKADA, 須田邦裕 / Kunihiro SUDA, 緋田康人 / Yasuhito HIDA, 壇蜜 / Danmitsu, 宇梶剛士 / Tsuyoshi UKAJI, 赤井英和 / Hidekazu AKAI, 石丸幹二 / Kanji ISHIMARU, 倍賞美津子 / Mitsuko BAISHO, 駿河太郎 / Taro SURUGA,  吉田鋼太郎 / Kotaro YOSHIDA,
ジャンル: ドラマ, TV
鑑賞方法: DVD
エピソード:
 第1話「やられたら倍返し! 悪い上司に立ち向かうニューヒーロー誕生!! 5億を取り戻せるか?社宅での妻たちの戦い出世か?友情か?」
 第2話「上司の濡れ衣を振り払え!悪者に倍返し」
 第3話「クソ上司に倍返し!部下のピンチを救えるか!? 裏切り者も出現」
 第4話「10倍返しなるか!上司と部下の裏切り」
 第5話「半沢が出向に…!? 生き残りをかけた戦」
 第6話「5億から120億!東京で倍返しなるか 本店に異動した半沢は巨大な敵と戦う!!」
 第7話「半沢が土下座する!絶体絶命の大ピンチ」
 第8話「強敵ライバル登場! 負ければ出向の危機」
 第9話「最終決戦!〜出向をかけた金融庁検査!!」
 最終話「100倍返しなるか 最後に土下座するのは誰だ!〜衝撃の結末!!友情か?裏切りか?」