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Thursday, April 10, 2014

横山秀夫サスペンス I (TV)

★☆

多くのヒット小説を世に産み出す横山秀夫の短編小説をWOWOWによりドラマ化した本作は、真相』『看守眼の中から仲村トオル主演の『18番ホール』。岸谷五朗主演の『誤報』。玉山鉄二主演の『自伝』。渡部篤郎主演の『他人の家』の4作品を収録。各話とも1時間ほどのショートストーリーでありながらスピード感と凝縮感に溢れたWOWOWらしい高品質な出来は観ている者を裏切らない。

『18番ホール』と『誤報で』細く強い繋がりが見られるが、総じて殆ど関連性のない独立したストーリーで構成された短篇集となっている。ただ、地理的な舞台設定が共通であり、チラホラと各話の横の繋がりが出てくるも、ストーリー展開にはそれほどの影響が無い。しかし、それ以上に各話に共通しているのは、所謂ハッピーエンドとは真逆の救いようのないエンディングが待ち受けているということ。幾らドラマと言っても、観ているこちらも辛くなるエンディングには、気分が暗くなること請け合い。ただ、サスペンスドラマとしては非常に良質で気分が悪くなるわけではない。

特に、主人公の境遇をボカシつつ、予想外のラストで秀逸なサスペンスに仕上げた『他人の家』と、全てを投げ打って地元の村長選挙に出馬した男の罪と募る疑心暗鬼を描いた『18番ホール』は1時間ドラマとは思えない秀逸な作品。全ての作品に原作のサスペンスとしての面白さが見事に表現された秀逸な作品集となっている。(SS)


製作: 2010年 日本 WOWOW
原作: 横山秀夫 / Hideo YOKOYAMA『真相』『看守眼』
監督: 鈴木浩介 / Kosuke SUZUKI, 水谷俊之 / Toshiyuki MIZUTANI, 榎戸耕史 / Koji ENOKIDO
出演: 仲村トオル / Toru NAKAMURA, 岸谷五朗 / Goro KISHITANI, 玉山鉄二 / Tetshuji TAMAYAMA, 渡部篤郎 / Atsuro WATABE, 西田尚美 / Naomi NISHIDA, 遠藤憲一 / Kenichi ENDO, 田口浩正 / Hiromasa TAGUCHI, 相島一之 / Kazuyuki AISHIMA, 小澤征悦 / Yukiyoshi OZAWA, 尾野真千子 / Machiko ONO, 柏原収史 / Shuji KASHIWABARA, 片岡礼子 / Reiko KATAOKA, 長塚京三 / Kyozou NAGATSUKA, 紺野まひる / Mahiru KONNO, 田中哲司 / Tetsushi TANAKA, 戸田菜穂 / Naho TODA, 高杉亘 / Koh TAKASUGI, 小野武彦 / Takehiko ONO, 伊東四朗 / Shiro ITO
ジャンル: サスペンス
鑑賞方法: DVD

Friday, February 21, 2014

ハゲタカ (映画)

★☆

NHKの制作の大ヒットドラマ『ハゲタカ』の映画版作品である本作は、TV版と同様に、真山仁の経済小説ハゲタカバイアウトおよびレッドゾーンの3作品を原作とした経済ドラマである。TV版が非常に秀逸な作品であっただけに期待が高まるが、同じNHK制作の『外事警察』はTV版に比べて映画版の方がイマイチだっただけに本作はどうだろうか。主演は引続き大森南朋と柴田恭兵。共演に玉山鉄二。栗山千明や松田龍平もTV版に引続き出演している。

かつて日本を買い叩く「ハゲタカファンド」の辣腕マネジャーとして一世を風靡した鷲津は、一向に変わることのない閉鎖的な日本市場に見切りをつけ、海外で生活を送っていた。そんな時、日本を代表する自動車メーカーであるアカマ自動車の役員として迎えられていた芝野が鷲津の元を訪れ、アカマ自動車の救済を求めてきた。アカマ自動車は中国政府系ファンドのブルー・ウォール・パートナーズによる買収の危機にさらされていた。芝野の依頼を一度は断った鷲津だが、ブルー・ウォール・パートナーズの代表、劉一華の記者会見をみたのち、アカマ自動車からの正式な要請に答える形で「ホワイトナイト」としてブルー・ウォール・パートナーズと対峙することを決意する…。

映画版ということで、TV版を見ていなくても掴めるようなストーリー展開になっているのは間違いない。また、本作のメインストーリーは鷲巣と劉一華との対峙であり、芝野やアナウンサーの三島は脇に添えられた役どころと言っても過言では無いだろうが、TV版を見ていない人にはこの3者の過去の関係についての前知識が全く無いため、はてなマークが頭の中にグルグル回ったまま本作を鑑賞し続けたに違いない。

TV版では良く練られたファンドのスキームを充分に堪能することが出来たが、本作では所謂『リーマン・ショック』の翌年に公開された作品のため、どうしてもリアル経済に倣ったストーリーになってしまい、特に鷲津が劉一華を潰すためのロジックが稚拙に感じられた。そういう意味では、松田龍平演じる旅館の若旦那をTV版に続いて出演させるべき理由が見当たらないし、根本的なところでは、鷲津がアカマ自動車のホワイトナイトを引き受ける明確な動機が不明確。劉一華の最後も意味不明で、あらゆる意味で映画版はTV版を超えることが出来なかったと感じた。(SS)


製作: 2009年 134分 日本
原作: 真山仁 / Jin MAYAMA 「ハゲタカ」「バイアウト」「レッドアウト」
監督: 大友啓史 / Keishi OTOMO
出演: 大森南朋 / Nao OMORI, 柴田恭兵 / Kyohei SHIBATA, 松田龍平 / Ryuhei MATSUDA, 栗山千明 / Chiaki KURIYAMA, 嶋田久作 / Kyusaku SHIMADA, 志賀廣太郎 / Kotarou SHIGA, 中尾彬 / Akira NAKAO, 玉山鉄二 / Tetsuji TAMAYAMA, 高良健吾 Kengo KORA遠藤憲一 / Kenichi ENDO
ジャンル: サスペンス 
鑑賞方法: DVD