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Tuesday, November 6, 2012

難波金融伝ミナミの帝王 #11 欲望の街 / The King of Minami #11



シリーズ第11作目は純Vシネ版としての発売。前作では濡れ場からスタートだったが、今回はストリップ劇場と、2作続けてイロモノのツカミから始まる舞台は、淀川区十三のミュージックホール。撮影協力にクレジットされている事から、実際の舞台で撮影されたようだ。今回はここで働くストリッパーとその追っかけの須田を中心に展開する。ストリッパー演じるのは当時、大人気AV嬢だった白石ひとみ。ノッケから股間にボカシを入れた映像で観客の心を鷲掴みにしている。竜也と麻子は変わらずだが、いしのようこが本作から探偵の涼子役として出演、梅子はお休み。その他では、債務者に笹野高史、悪党に平泉成、ミュージックホールの経営者に室田日出男とベテラン俳優陣が出演している。

銀次郎の債務者である須田は、彼女が借金のカタにソープランドに売り飛ばされそうになるのを防ぐため、銀次郎から金を借りて借金を肩代わりした。一方、沢木組長は貸した1000万が回収不可能になり銀次郎に相談していた。銀次郎がその証文を良く見ると、連帯保証人の名前は例の須田だった。既に銀次郎に借金をしている須田が1000万もの借金の保証人になれるはずがない。調査を進めると一連の件の裏では『保証人屋』が暗躍していることが分かった…。

シリーズも3年目に入り、麻子にも舎弟というか部下が付き、しかめっ面の銀ちゃんと事務所から電話で配下の手下をマネージメントするシーンが増えた。白石ひとみもそれなりに頑張って演技をしており、室田日出男、笹野高史や平泉成などベテランの脇役陣が素晴らしい演技で魅せておりストーリーに深みを与えている。涙が出るとは言わないが、いつものシリーズとは違ういい話に仕上がった。銀ちゃんの愛車はどこかのチューンドとおぼしき濃いグレイのメルセデス・SLクラス。

本作から竹内力が唄う『欲望の街』がエンディングでかかる。やはり『ミナミの帝王』のエンデイングは、相生橋上での小コントとストップモーションに被せる『欲望の街』が定番でかつ最高と改めて確信。なお、本作はもちろんフィクションだが、1993年に大阪で起きた実際の事件をヒントに脚本化されたそうで、その旨を告げるテロップが最後に流れる。前作ではぎこちなかったテロップの処理も、今回は『プロの仕事』のようでホッとした。(SS)

Amazonで難波金融伝 ミナミの帝王 No.11(V版6)欲望の街を見てみる。
Amazonで『欲望の街』を検索する。


製作: 1995年 日本 81分
監督: 萩庭貞明 / Sadaaki HAGINIWA
製作: 
出演: 竹内力 / Riki TAKEUCHI, 竹井みどり / Midori TAKEI, 大森嘉之 / Yoshiyuki OMORI, いしのようこ / Yoko ISHINO, 結城哲也 / Tetsuya YUKI, 天田益男 / Masuo AMADA, 笹野高史 / Takashi SASANO, 白石ひとみ / Hitomi SHIRAISHI, 平泉成 / Sei HIRAIZUMI, 室田日出男 / Hideo MUROTA, 井上茂 / Shigeru INOUE, 中田ボタン / Botan NAKATA
ジャンル: ドラマ
鑑賞方法: DVD


一応、YouTubeの『欲望の街』を貼っておく。これがホントのワイルドだろ。

Wednesday, October 3, 2012

白い巨塔 (2003フジテレビ) 2/2



 第11回 天国と地獄
 第12回 捨て身
 第13回 カルテ改ざん
 第14回 母の涙
 第15回 判決
 第16回 妻たち
 第17回 一年後
 第18回 師動く
 第19回 嘘だ! 真実の叫び
 第20回 最後の審判 〜 最終回 財前死す

★★★ 熾烈な教授選を闘い抜きついに医学部の外科教授となった財前。海外での講演と公開オペの成功や国際外科医学会の名誉会員へ選出されるなど、栄誉の絶頂にあった財前を待っていたのは、財前が執刀し後に死亡した患者遺族の訴えによる医療過誤裁判だった。第2部はこの裁判を中心に展開される。

物事のきっかけは些細なところから始まるものだ。教授としての自分の診断を絶対視する余り医局員の意見を無視し、患者の命を些細な私欲と天秤に掛けてしまった事が無用の嘘を招き、その嘘が更なる嘘を呼ぶ。嘘を死ぬまで突き通す事が出来るものは少ない。そして無力の者が大きな力を持つ者を突き動かし、裁判は展開していく。医療過誤裁判の現場とは医師を叩く場所なのか、真実を暴く場所なのか。リスクテイクと積極的治療のバランスを鑑みつつ医療裁判の現実を問う、秀逸な社会派フィクションドラマに仕上がっている。一方、ストーリー展開上の多くの重要な場面で東の娘が存在し、財前の愛人も必要以上に露出するといった演出は、個人的には過剰だと思う。

第1話から財前のタバコにをやたらと焦点が当たっていたのでもしやと思ったが、予想を裏切らない結果となった。財前の病魔について最善の治療を考える里見。執刀を引き受けた東。そして死を前にしてもなお無念を募らせる財前。最終話はの完成度は素晴らしく、いがみ合いながらも互いを尊敬できる医師として認め合ってきた財前と里見が語り合う場面は本作最高のシーンだ。決して交わる事は無いと思われていた財前、里見、東という3つの線が再び交差し、財前の死と自らの病理解剖所見をもって物語は終幕する。(SS)


製作: 2003年 日本
原作: 山崎豊子 / Toyoko YAMAZAKI『白い巨塔』
脚本: 井上由美子 / Yumiko INOUE 
出演: 唐沢寿明 / Toshiaki KARASAWA, 江口洋介 / Yosuke EGUCHI, 石坂浩二 / Koji ISHIZAKA, 西田敏行 / Toshiyuki NISHIDA, 伊武雅刀 / Masatou IBU, 小林正寛 / Masahiro KOBAYASHI, 品川徹 / Toru SHINAGAWA, 伊藤英明 / Hideaki ITO, 佐々木蔵之介 / Kuranosuke SASAKI, 沢村一樹 / Ikki SAWAMURA, 平泉成 / Sei HIRAIZUMI, 矢田亜希子 / Akiko YADA, 若村麻由美 / Mayumi WAKAMURA, 水野真紀 / Maki MIZUNO, 高畑淳子 / Atsuko TAKAHATA, 野川由美子 / Yumiko NOGAWA, 上川隆也 / Takaya KAMIKAWA, 及川光博 / Mitsuhiro OIKAWA, 黒木瞳 / Hitomi KUROKI, 池内淳子 / Junko IKEUCHI, かたせ梨乃 / Rino KATASE, 田山涼成 / Ryosei TAYAMA, 河合美智子 / Michiko KAWAI, 木村多江 / Tae KIMURA
ジャンル: ドラマ, サスペンス
鑑賞方法: DVD


 

白い巨塔 (2003フジテレビ) 1/2



山崎豊子の白い巨塔を原作とした長編TVドラマシリーズ。同名のテレビドラマは田宮二郎主演の1966年の大映映画および1978年のTVドラマシリーズが有名であるが、本作は主演の財前五郎に唐沢寿明を迎えてフジテレビ開局45周年記念として製作された作品である。ストーリーは2部構成だが、違和感なく全話が続いており、第1部は主人公の財前五郎の教授選、第2部は医療過誤裁判を中心とした構成で展開される。

財前五郎の同期でもう一人の主人公とも呼べる医師、里見脩二に江口洋介を配し、石坂浩二、伊武雅刀や西田敏行といったベテラン俳優陣が脇を固めており、緻密な人間描写、複雑怪奇な医局制度、裸のままの欲望が闊歩する医学部の病巣を描ききった原作が見事に映像に昇華され、笑いやコメディー色の全くない重厚感のあるドラマに仕上がっている。中でも唐沢の演技は素晴らしく、財前の明暗や善悪の感情表現を完璧に演じ切っており、山崎豊子をして『素晴らしかったです。あなたが財前で良かった。感動しました』と言わしめている(Wikipediaより)。本作は田宮版に負けず劣らないクオリティーと言われているが、とかく比較されている田宮版も観てみたい。

『一介の医局員が教授に意見を述べようなど100年早い』とまで言わせる、教授への権力集中と絶対的な上下関係。教授選という旧態依然の権力争奪戦を舞台に飛び交う金と渦巻く欲望。時に患者の命にさえ優先される自らの保身と名誉への飽くなき欲望が露骨に描かれ、フィクション作品とはいえ、リアリティーという意味では少々度を越しているのは否めないが、そこは山崎豊子原作という事で、予め間引いて観るべきだろう。(SS)




 第1回 (タイトル無し)
 第2回 贈り物
 第3回 土下座
 第4回 落選
 第5回 祝宴
 第6回 父の姿
 第7回 毛嫌い
 第8回 決戦
 第9回 正念場
 第10回 無常 (第一部最終回)

★★☆ 野心に溢れ自分以外の者を愛せない男、財前五郎は食道癌手術を得意とする国立大学医学部の外科助教授である。一方、財前の同期で内科助教授の里見脩二は国立大学病院の医者らしく実直で研究熱心、患者第一の男である。財前の卓越した技量と野心、それを快く思わない退官間近の外科教授、東貞蔵。第一部は財前と対照的な医師である里見や教授である東と財前との確執、東の後任教授を決める教授選とそれに係る教授陣との間の熾烈な闘いを描く。

救命病棟24時や海外ドラマのERなどに見られる、医療用語が飛び交う患者の治療シーンなどは殆ど無く、こうした作品とは全く向きが異なる医療ドラマで、国立大学医学部における魑魅魍魎の人間模様を描いたドラマである。特に教授選を巡るドロドロの駆引きは、もはや医者なのか政治家なのかという程、金や欲望が飛び交う世界が展開される。そうした中で、東貞蔵を演じる石坂浩二の演技が光る。派手さは無いが、しかし、東の内心が透けて見えるが如き演技は、財前演じる唐沢と絡むシーンで最も光る。個人的には財前の愛人や教授婦人会が過剰に出過ぎる演出が少々目にうるさい。また、東の娘や妻も出過ぎでストーリー展開に絡みすぎだろう。硬派な社会派ドラマにはこうした華も必要であろう向きも分かるが。

財前の妻や愛人、舅や大阪医師会まで交えて派手に展開される教授選までの盛り上げに対して、教授が決まるプロセスは省略し過ぎて少々尻すぼみした感があるが、テレビドラマらしく、その先を観たいと思わせる一話一話の構成は流石フジテレビ。CMの無いDVDで鑑賞してて良かった。(SS)


製作: 2003年 日本
原作: 山崎豊子 / Toyoko YAMAZAKI『白い巨塔』
脚本: 井上由美子 / Yumiko INOUE 
出演: 唐沢寿明 / Toshiaki KARASAWA, 江口洋介 / Yosuke EGUCHI, 石坂浩二 / Koji ISHIZAKA, 西田敏行 / Toshiyuki NISHIDA, 伊武雅刀 / Masatou IBU, 小林正寛 / Masahiro KOBAYASHI, 品川徹 / Toru SHINAGAWA, 伊藤英明 / Hideaki ITO, 佐々木蔵之介 / Kuranosuke SASAKI, 沢村一樹 / Ikki SAWAMURA, 平泉成 / Sei HIRAIZUMI, 矢田亜希子 / Akiko YADA, 若村麻由美 / Mayumi WAKAMURA, 水野真紀 / Maki MIZUNO, 高畑淳子 / Atsuko TAKAHATA, 野川由美子 / Yumiko NOGAWA, 上川隆也 / Takaya KAMIKAWA, 及川光博 / Mitsuhiro OIKAWA, 黒木瞳 / Hitomi KUROKI, 池内淳子 / Junko IKEUCHI, かたせ梨乃 / Rino KATASE, 田山涼成 / Ryosei TAYAMA, 河合美智子 / Michiko KAWAI, 木村多江 / Tae KIMURA
ジャンル: ドラマ, サスペンス
鑑賞方法: DVD