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Thursday, May 24, 2012

永遠の僕たち / Restless



妻の「観たい映画リスト」に本作が記載されていたためブルーレイを購入した。全く前知識が無く、恋愛物なのかファミリードラマなのか全く分からない。時間も90分と短めなので気楽に鑑賞してみた。

本作は、両親を亡くした若者と余命幾ばくも無い女性とのピュアな恋愛ドラマ。監督の手腕なのか演出家の技量なのか、若い二人の演技と全体の透明感が素晴らしい。加瀬亮の起用でオリエンタルな雰囲気とともに、その役柄からファンタジーっぽさも感じられるが、奇抜さや滑稽さが無いのは、これもまた監督の手腕なのだろう。

やや短めの90分という時間もラストの感じも音楽も上手くマッチしている。導入部分は少々かったるいが、やもすれば重くなりがちなテーマを最初からラストまで心地良いバランスで表現した良作。(SS)


製作: 2011年 アメリカ 138分
監督: ガス・ヴァン・サント / Gus Van SANT
製作: 
出演: ヘンリー・ホッパー / Henry HOPPER, ミア・ワシコウスカ / Mia WASIKOWSKA, 加瀬亮 / Ryo KASE
ジャンル: ラブストーリー
鑑賞方法: Blu-ray


 

Wednesday, May 23, 2012

ツリー・オブ・ライフ / The Tree of Life



普段はこういう「ヒューマンドラマ」系の映画の鑑賞頻度が高くない私だが、妻の「観たい映画リスト」に本作が記載されていたためブルーレイを購入した。ブラッド・ピットとショーン・ペンが出演している位は記憶の断片にあったが、それ以外は特に前知識も無く、真っさらの状態で鑑賞してみた。

開始直後から続く冗長な映像。これが延々と本当に延々と続く。この映像に我慢して耐えた鑑賞の後に覚える疲労感。実際138分だから物理的にも長い。こうなるなら前知識をタップリと放り込んでから見るべきだった。そうすればもう少し気楽に見られたのに。途中の神々しい映像で綴られた生命誕生の映像はむしろくどい印象。一方、この映画を「ヒューマンドラマ」という体で宣伝した配給会社の手腕に驚いた。本作がどういった種類の映画であるかは分類が難しいところであるが、少なくとも「ヒューマンドラマ」ではあるまい。宣伝方法を間違えれば地雷踏むというのをある程度分かっていたんだなきっと。

話は変わるが昔、モスクワでバレエを観たことがある。それまでバレエを観たことも観たいと思ったこともなかったが、鑑賞後非常に感動したのを覚えている。セリフが無いバレエだが演じる題目のストーリーは心に響き完全に理解できた。伝わらないのか伝えられないのか、いずれにせよ本作が私の心に響かなかったのが残念だ。パルムドール受賞作品であるから、本来はこういう作品を綺麗に批評できれば良いのだろうが。(SS)


製作: 2011年 アメリカ 138分
監督: テレンス・マリック / Terrence MALICK
製作: 
出演: ブラッド・ピット / Brad PITT, ショーン・ペン / Sean PENN
ジャンル: スピリチュアル
鑑賞方法: Blu-ray



 

シャンハイ / Shanghai

★★

太平洋戦争が始まる直前1941年の上海租界地を舞台に米国スパイ、日本軍情報部とローカルレジスタンスが交錯するサスペンスドラマ。ハリウッド製作の映画だが、中国、日本、欧米の租界地があつまる上海の混沌とした当時の情景が良く描かれている。

ジョン・キューザック演じるスパイだが、諜報活動を見られちゃったり、仕事よりも女の方を取ってみたりと、まぁスパイとしてはしょぼい。出演している2人の日本人俳優のうち菊地凛子は登場するシーンが少なく、存在感は薄いが、渡辺謙は最初から最後まで重要な役を演じている。ちなみに、彼の出演するハリウッド映画は役柄は違えど演技や雰囲気が似通ってるなと思うのは私だけかな。それに対し、チョウ・ユンファとコン・リーの演技は良かった。特に、チョウ・ユンファは彼の雰囲気が役柄にピッタリはまっていて秀逸。

主人公の目的がぶれるため、イマイチ理解できないシーンがこの映画から重厚さを削いでいるが、ぶれた後が本当のストーリーの芯だと思えば良いか。なお、最近のハリウッド映画の傾向で本作もご多分に漏れず日本軍がかなり冷徹な感じで描かれているが、ラストシーンの事もあり気にせずさらっと見たい。(SS)


製作: 2011年 アメリカ 105分
監督: ミカエル・ハフストローム / Mikael HAFSTROM
製作: ボブ・ワインスタイン / Bob WEINSTEIN
出演: ジョン・キューザック / John CUSACK, コン・リー / Gong LI, チョウ・ユンファ / Chow YUNG-FAT, 渡辺謙 / Ken WATANABE, 菊地凛子 / Rinko KIKUCHI
ジャンル: サスペンス, アクション, スパイ
鑑賞方法: Blu-ray


 

Tuesday, May 22, 2012

トロン・レガシー / TRON Legacy

★★

何と28年ぶりのトロンの続編。こうも間隔が開くと同じシリーズとは言え、前作のオマージュ的シーンもあり、前作のファンには思わずニヤリとさせられる場面が全体をとおして散りばめられている。そういえば、前作でも日本風な衣装が出ていたが、それは本作でも同様。

第1作であるトロンのストーリーは当時としては斬新なアイデアだと思うものの、全体としてパッしないな、と感じていたが、本作はさらにパットしない。前作で描かれた電子の世界は良かれ悪かれ、少なくとも人の世界とリンクしていたが、本作の電子世界は何の為に存在しているのかがさっぱり分からない。存在意義も理由もない電子世界が20年間続く理由って何なのだろう。プログラムが酒を飲んでバーでDJとかって擬人化が過ぎてる。

とはいえ、そんな小難しいトコロをさっぱりと忘れて鑑賞すると、やはり美しく格好いいなと感じさせる映像がそこにある。私がバーの経営者ならBGMならぬBGV的な使い方が想像できるな。(SS)



28年前の『TRON』オマージュとして制作された『TRON Legacy』。公開当初私は出産時で観に行けず、いつか観たい~と思っていた作品。観る頃には当初の熱も冷めそこまで期待はしていなかったのに、まぁーーー面白かった!

まず主人公フリンとそのパートナーのアランが28年前と同じキャスティングに驚いた。次々に現れる夢に見たような乗り物とフューチャーワールドが実に洗練されていて前作の簡素なCGアニメーションから時代の流れを感じさせる。

蛍光カラーがまばゆいコンピューターシティ、グリッド。そこでポータルのキーをめぐって戦いが繰り広げられるんだけど、一瞬で装着出来るモビルスーツやクリアな動くステージ、短剣のようなステッキが瞬く間に光速バイクになったり、飛行機やスペースシップにもなる。それにダフトパンクのエレクトロミュージックが効いててそれはアガる。

データが組み込まれた重要なディスクが前作同様デカい上に背中に装着するイージーさは笑えるが、オマージュですから、ね。他に失踪した父親のゲームセンターが20年間手つかずに存在する事や、これまた20年前にフリンから託されたポケベルを所持するアラン、グリッドでの食事など若干の違和感はあるものの、そもそもがデータを擬人化した仮想世界なのでスルーできる。

賛否両論あるようだけど私はあのエレクトロ音が聴こえただけでときめく大好きな映画!誰も知らないコンピューターシティ。最高にクールだった。3Dで鑑賞したかったなー。(YS)


製作: 2010年 アメリカ 125分
監督: ジョセフ・コシンスキー / Joseph KOSINSKI
製作: スティーブン・リズバーガー / Steven LISBERGER
出演: ギャレット・ヘドランド / Garrett HEDLUND, ジェフ・ブリッジス / Jeff BRIDGES
ジャンル: SF, アドベンチャー, アクション
鑑賞方法: Blu-ray


 

トロン オリジナル / TRON Original

★★

不完全燃焼でエンディングを迎えてしまった。もちろんストーリーやら背景やらの理解を助ける前フリもある。だけど何かが足りない。インセプションとかマトリックスとかそういう感じとも少し違う。電子の世界で戦うプログラムを擬人化しすぎてるからだろうか。

しかし、これが30年前の作品とは思えないのは事実。当時この作品をリアルで劇場で見ていたら恐らくある種の信者になっていたかもしれない。今の時代には少々色褪せて見えるCG映像 (私にはアニメちっくに見えるのだけど) だが、この時代なら人々にはそれなりの衝撃を与えただろう。ファッションやデザインなどのアイデアはなかなかかなと思う。

ふと気づいたが、スター・ウォーズ エピソード4ってこの作品より更に5年も古い1997年の作品。映像にせよストーリーにせよ比較されたらスター・ウォーズが可哀想だと思うが、如何せんこの時代にトロンのストーリーを考えられた人はそれほど多くはあるまい。(SS)


製作: 1982年 アメリカ 98分
監督: スティーブン・リズバーガー / Steven LISBERGER
製作: ロン・ミラー / Ron MILLER
出演: ジェフ・ブリッジス / Jeff BRIDGES, ブルース・ボックスライトナー / Bruce BOXLEITNER
ジャンル: SF, アドベンチャー, アクション
鑑賞方法: Blu-ray


  

Monday, May 21, 2012

アウトレイジ / Outrage

☆ 

冗談ではなくて血圧が高い人にはお勧めできない、北野武監督のバイオレンス作品。ストーリーは至極単純、というか仁義も義理も人情もヘッタクレも無く、映画の進行上はほとんど関係ない。言うならば、暴力と猟奇的な殺人をスクリーンに映して人々怖がらせる事が本作の意義だといって良い。私にとっての北野作品は大体そうなのだが、後味があまり宜しくない。そして容赦無い暴力シーンが記憶の断片となって脳に残る。本作は昼飯を食べながらブルーレイで鑑賞したのだが、少し後悔してる。

「全員悪人」とは本作のキャッチコピーだが「全員馬鹿」でも良いかな。最も悪どいのが最後まで生き残るのだが、決して賢くて生き残った訳じゃないので。個人的には、加瀬亮の存在がどうにもしっくりこない。服装も言葉遣いも怖い人なのだが、雰囲気が天然の良い人。正直言ってミスキャストかなと思う。それに対し、椎名桔平や小日向文世が醸しだす悪人の雰囲気はなかなか秀逸で、それに三浦友和が続く。警察署長のイメージがちらつくヤクザ会長はちょっと残念。

カンヌ国際映画祭ではマスコミ向けのプレビューで、開始当初から席を立つ人が続出したという。何が故に席を立ったのかその理由は私には知る由もないが、きっとつまらないからではなくて、暴力シーンが正視に耐えられなかったのだろう。もしそうならば、本作の目指すところは伝わっていたに違いない。(SS)


★★☆ 

ヤクザ映画は好きなのだけど、アウトレイジを観て私はVシネ的ヤクザ映画が好きなんだと思った。ちょっと笑っちゃうようなダサい決め台詞も無ければ間抜けなエロシーンも無し。力の抜けない混じりっけなしのヤクザ映画に鑑賞後は世の中って怖いんだなぁぁぁって震え上がっちゃう。

権力争いが発展して結局最後はみんな死んじゃうパターンなんだけど、殺され方や暴力シーンの描写がとっても猟奇的。椎名桔平演じる水野の殺され方も車の助手席に座らせて袋を被せ、首をロープで絞めた上にその長いロープの先を道路脇に括りつけて高速で発車するとか、意図もよくわからないおぞましさ。袋の中はどうなっちゃってるわけ。。

そしてまぁみんなよう吠える。凄んで怒鳴って指まで落とす。警察署前で水野が警備に対する馬鹿にした態度や密売ラーメン屋でヤクザに気付かない客への不敵な笑みとか、もぅじわじわ怖い。

借りてきた黒人俳優と、白ジャージが浮いてる三浦友和演じる加藤以外はとってもバイオレンスでちびりそうなヤクザ映画でした。(YS)


製作: 2009年 日本 109分
監督: 北野武 / Takeshi KITANO
製作: 森昌行 / Masayuki MORI
出演: ビートたけし / Beat Takeshi, 椎名桔平 / Kippei SHIINA, 加瀬亮 / Ryo KASE, 石橋蓮司 / Renji ISHIBASHI, 三浦友和 / Tomokazu MIURA, 小日向文世 / Fumiyo KOHINATA, 北村総一朗 / Soichirou KITAMURA, 中野英雄 / Hideo NAKANO, 杉本哲太 / Tetta SUGIMOTO, 國村隼 / Jun KUNIMURA
ジャンル: ヤクザ, R15+
鑑賞方法: Blu-ray


 

プレデター / Predator

★★

アーノルド・シュワルツェネッガー全盛期の頃の代表作の一つ。レスキュー部隊を率いる肉体美全盛期のシュワルツェネッガーとメンバー達、CIAとグリーンベレーに鬱蒼としたジャングルとゲリラ。そして謎の生命体であるプレデター、と背景やストーリーについて特に詳しい説明があるわけでも無いのだが、そこが良い。プレデターとの一連の闘いが秀逸だが、ゲリラの討伐シーンも、これでもかっていうくらい火器使いまくりでやり過ぎ感がまた良い。

やっぱり、シュワルツェネッガーの肉体美と、そしてやっぱりプレデターの説明を全然してないところが見ていて引き込まれる理由か。分かっていることと言えば、暑い夏の日にでる、って事くらい。謎のうちにストーリーがどんどん進むのだが、プレデターが情け容赦無いためか、見ている者の恐怖心を煽る。

しかし、この頃のアーノルド・シュワルツェネッガーの肉体は最高。肉体だけじゃなく顔も脳みそも筋肉だろという感じが良い。個人的には共演者のカール・ウェザース(ロッキーでアポロを演じてた彼)も結構好き。彼の壮絶なラストから続くプレデターとシュワルツェネッガーとの闘いは息をつかせない。何回見ても楽しめる映画。ちなみに、このプレデターが出演する続編が何作かあるのだが、本作が最初でかつ最高の作品である。(SS)


製作: 1987年 アメリカ 107分
監督: ジョン・マクティアナン / John McTIERNAN
製作: 
出演: アーノルド・シュワルツェネッガー / Arnold SCHWARZENEGGER, カール・ウェザース / Carl WEATHERS
ジャンル: アクション, SF
鑑賞方法: DVD


 

Wednesday, May 9, 2012

ミッション・インポッシブル ゴースト・プロトコル / Mission: Impossible Ghost Protocol

★★

トム・クルーズ扮するイーサン・ハントがIMFのチームリーダーとして活躍するミッション・インポッシブルのシリーズ第4作。核となるストーリーは複雑な背景の理解がなければ破錠していると感じるかもしれない。しかし、連続する派手なアクションシーンと圧巻のブルジュ・ハリファ (ブルジュ・ドバイ)でのアクションが、見ているものを釘付けにする。

M:Iといえば、第1作にてCIA本部へ忍び込んだ際の吊り下げシーンがあまりにも有名だが、本作でトム・クルーズ自ら挑んだブルジュ・ハリファでのアクションシーンは完全に第1作目の件のシーンを凌駕した。そんな事をしなければならない理由は薄い。主人公なんだから無事生還するに決まってる。って思いつつも、思わず声が出るアクションシーンは本当に久しぶり。すごいなトム・クルーズ。何歳だっけ?役者魂もここまできたら大したもんだ。

見ていて007シリーズを思い出した。ダニエル・クレイグになってからの007シリーズでは、お約束のスパイ小道具が登場するシーンは少なくなったが、本作では出まくり。クレムリンで使用されるモノなど、そんな考えすら思い浮かばないよ。ボンドカーならぬ、ハントカーのBMWも非常にそれっぽい。本当に訳の分からないスパイ小道具大賞はTVシリーズのエイリアスだと個人的に思っているが、本当にあるっぽいスパイ小道具大賞は完全にM:Iシリーズ。(SS)


製作: 2011年 アメリカ 132分
監督: ブラッド・バード / Brad BIRD
製作: トム・クルーズ / Tom CRUISE, JJ・エイブラムス / J.J. ABRAMS
出演: トム・クルーズ / Tom CRUISE
ジャンル: アクション, サスペンス, スパイ
鑑賞方法: Blu-ray