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Wednesday, October 3, 2012

白い巨塔 (2003フジテレビ) 2/2



 第11回 天国と地獄
 第12回 捨て身
 第13回 カルテ改ざん
 第14回 母の涙
 第15回 判決
 第16回 妻たち
 第17回 一年後
 第18回 師動く
 第19回 嘘だ! 真実の叫び
 第20回 最後の審判 〜 最終回 財前死す

★★★ 熾烈な教授選を闘い抜きついに医学部の外科教授となった財前。海外での講演と公開オペの成功や国際外科医学会の名誉会員へ選出されるなど、栄誉の絶頂にあった財前を待っていたのは、財前が執刀し後に死亡した患者遺族の訴えによる医療過誤裁判だった。第2部はこの裁判を中心に展開される。

物事のきっかけは些細なところから始まるものだ。教授としての自分の診断を絶対視する余り医局員の意見を無視し、患者の命を些細な私欲と天秤に掛けてしまった事が無用の嘘を招き、その嘘が更なる嘘を呼ぶ。嘘を死ぬまで突き通す事が出来るものは少ない。そして無力の者が大きな力を持つ者を突き動かし、裁判は展開していく。医療過誤裁判の現場とは医師を叩く場所なのか、真実を暴く場所なのか。リスクテイクと積極的治療のバランスを鑑みつつ医療裁判の現実を問う、秀逸な社会派フィクションドラマに仕上がっている。一方、ストーリー展開上の多くの重要な場面で東の娘が存在し、財前の愛人も必要以上に露出するといった演出は、個人的には過剰だと思う。

第1話から財前のタバコにをやたらと焦点が当たっていたのでもしやと思ったが、予想を裏切らない結果となった。財前の病魔について最善の治療を考える里見。執刀を引き受けた東。そして死を前にしてもなお無念を募らせる財前。最終話はの完成度は素晴らしく、いがみ合いながらも互いを尊敬できる医師として認め合ってきた財前と里見が語り合う場面は本作最高のシーンだ。決して交わる事は無いと思われていた財前、里見、東という3つの線が再び交差し、財前の死と自らの病理解剖所見をもって物語は終幕する。(SS)


製作: 2003年 日本
原作: 山崎豊子 / Toyoko YAMAZAKI『白い巨塔』
脚本: 井上由美子 / Yumiko INOUE 
出演: 唐沢寿明 / Toshiaki KARASAWA, 江口洋介 / Yosuke EGUCHI, 石坂浩二 / Koji ISHIZAKA, 西田敏行 / Toshiyuki NISHIDA, 伊武雅刀 / Masatou IBU, 小林正寛 / Masahiro KOBAYASHI, 品川徹 / Toru SHINAGAWA, 伊藤英明 / Hideaki ITO, 佐々木蔵之介 / Kuranosuke SASAKI, 沢村一樹 / Ikki SAWAMURA, 平泉成 / Sei HIRAIZUMI, 矢田亜希子 / Akiko YADA, 若村麻由美 / Mayumi WAKAMURA, 水野真紀 / Maki MIZUNO, 高畑淳子 / Atsuko TAKAHATA, 野川由美子 / Yumiko NOGAWA, 上川隆也 / Takaya KAMIKAWA, 及川光博 / Mitsuhiro OIKAWA, 黒木瞳 / Hitomi KUROKI, 池内淳子 / Junko IKEUCHI, かたせ梨乃 / Rino KATASE, 田山涼成 / Ryosei TAYAMA, 河合美智子 / Michiko KAWAI, 木村多江 / Tae KIMURA
ジャンル: ドラマ, サスペンス
鑑賞方法: DVD


 

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