商売が立ち行かなくなり愛人と隠し子を養えなくなった男が、金の切れ目は縁の切れ目とばかりに3人の隠し子突然押し付けられる。商売を取り巻く状況は厳しさを増し、女房は隠し子に辛く当たり、愛人は行方不明。そんな中、育児放棄と不慮の事故の末に末っ子が栄養失調で亡くなってしまうが、これをきっかけに、男は残りの2人の「処分」に取り掛かる…。タイトルどおりの「鬼畜」ぶりが目に余る主人公の男を緒形拳、その女房のお梅役に岩下志麻を配し、徹底して隠し子に冷徹なお梅と、迷いながらも次第にお梅と共に「処分」に手を染めていく男の心情が見事に描かれた演出と、情景を代弁するが如く上質な音楽が非常に秀逸。一方、人物や風景に寄るシーンでは何故かカメラのズームアップがぎこちない動きで少々気になる。
「鬼畜」とは主人公の男の事なのか、もしくはその妻なのか。はたまた子を捨てて姿を消した愛人なのか。立場や環境や金銭的状況が親が子を思う気持ちに変化を与えようとも、子が親を慕い思う気持ちに変わりは無いのだろう。疑念を持ちながらも親を愛する子供の純粋な心。どんな事をされても父親を好きであり続ける、子の心情が観ているこちらの心に突き刺さる。(SS)
製作: 1978年 日本 110分
監督: 野村芳太郎 / Yoshitarou NOMURA
製作: 野村芳太郎 / Yoshitarou NOMURA
出演: 緒形拳 / Ken OGATA, 岩下志麻 / Shima IWASHITA
ジャンル: ドラマ, サスペンス
鑑賞方法: DVD
製作: 野村芳太郎 / Yoshitarou NOMURA
出演: 緒形拳 / Ken OGATA, 岩下志麻 / Shima IWASHITA
ジャンル: ドラマ, サスペンス
No comments:
Post a Comment