言わずと知れた『ミナミの帝王』の映像版第1作目。原作は週刊漫画ゴラクに連載中の原作: 天王寺大原作・漫画: 郷力也漫画による同名漫画で、竹内力の代名詞かつ最大のヒット作となっている。ちなみに、二人は兄弟で郷力也は天王寺大の実兄にあたる。漫画は現在も連載中だが、こちらのシリーズは全60作製作され、公開当初はレンタルビデオ店でよく借りて観たものだが、根強いファンがいるのか、はたまた一定の視聴率が取れるのか、最近ではチャンネルNECOやCSの邦画チャンネルで頻繁に再放送されている。基本的に1話完結のストーリーであり、主人公の金貸し萬田銀次郎に竹内力、協力者の舎弟や探偵は数話毎に変わる。また、結城哲也が途中からレギュラー出演兼プロデューサーとして製作に参加しているためか、吉本芸人もしくは松竹芸人などの関西芸人の出演が非常に多い。
ストーリーの基本線は、以下のとおり。
『ツカミのショートストーリー(以降の展開の伏線であることもしばしば)』 →
『銀次郎のところへ金を借りに来る債務者達』 →
『その債務者が何らかの理由により借金を返済をせずに飛ぶ』 →
『銀次郎は債務者を追いかけてカタに嵌めようとする』 →
『実は債務者が暗躍する悪党に騙されていたことを知る』 →
『とりあえずその悪党へ挨拶へ出向きご挨拶』 →
『悪党に「わしの借金返せ」と言うものの足蹴に断られ、口上を述べて帰る』→
『探偵に「なぁ〜銀次郎さぁん、何とかならへんの〜?」と言われる銀ちゃん』 →
『「取れるところから取ったる。ただし、儲けは折半でっせ。」と債務者に言う』 →
『その悪党をカタに嵌めてキッチリとキリ取る』 →
『モロモロの経費含めて◯◯万がわしの取り分。残りはあんたの取り分や』 →
『債務者の借金をチャラにした挙句、出直しの為の金まで渡す』 →
『相生橋の上でのラストシーン〜エンディング曲「欲望の街 (唄: 竹内力)」』
記念すべき第1作目の本作では、初代舎弟の坂上竜一役に柳沢慎吾、探偵の矢吹麻子に竹井みどり、銀次郎の金主で師匠の矢吹金造に横山やすしを迎え、銀次郎の借金を頑として返さない町工場のおっさんのキリ取りと、複数の偽造手形で銀次郎に一杯食わせた坂田雅彦演じるヤクザ金融をカタにハメるストーリー。ちなみに、この坂田雅彦もシリーズ初期の常連で、本作の濡れ場では背中のモンモンを踊らせている。また、今回の銀次郎の愛車は前後オーバーフェンダーでハードチューンしたケーニッヒと思しきシルバーのBMW3シリーズ。
若き日の竹内力が凄まじいカッコ良さ。さすがは当時の『とれんでぃドラマ』などに出演していただけあって、今の貫禄ある雰囲気とはまた違うキレを感じる知的なミナミの鬼・萬田銀次郎を見事に演じ切っている。しかし、竹内力もこの『ミナミの帝王』や『仁義』に出会わなければ、違う役者人生を歩んでいたに違いない。本作は幾つかのストーリーで構成されており、結城哲也も未出演でエンディングも違う、いわばシリーズの基本形がまだ出来上がってない頃の作品で、前述の『基本線』とは少々異なる。ちなみに、銀次郎と麻子の濡れ場は本作が最初で最後。横山やすしも最初で最後の出演をしており、発売当時のビデオパッケージのクレジットには『横山やすし完全復帰作品』と銘打たれていたほどだが、演技というか何というか、例えば水野晴郎のそれと同様で少々目に痛い。(SS)
製作: 1992年 日本 87分
監督: 萩庭貞明 / Sadaaki HAGINIWA
製作:
出演: 竹内力 / Riki TAKEUCHI, 柳沢慎吾 / Shingo YANAGISAWA, 竹井みどり / Midori TAKEI, 横山やすし / Yasushi YOKOYAMA, 坂田雅彦 / Masahiko SAKATA, 杉原美輪子 / Miwako SUGIHARA
ジャンル: ドラマ
鑑賞方法: DVD
製作:
出演: 竹内力 / Riki TAKEUCHI, 柳沢慎吾 / Shingo YANAGISAWA, 竹井みどり / Midori TAKEI, 横山やすし / Yasushi YOKOYAMA, 坂田雅彦 / Masahiko SAKATA, 杉原美輪子 / Miwako SUGIHARA
ジャンル: ドラマ
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