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Sunday, October 14, 2012

チェンジリング / Changeling



ここ最近は俳優業もさることながら、監督としての名声も高いクリント・イーストウッドによる感動のノンフィクション・ドラマ。主演にアンジェリーナ・ジョリーを迎え、1920年代のロサンゼルスで実際に起きたゴードン・ノースコット事件(Wineville Chicken Coop Murders)を映画化したものだが、事件から90年近く経つせいもあるのか、本作に出てくる地名や人名などは全て実際に存在したものである。非常に完成度の高いストーリーだが、映画冒頭でテロップが流れるように、脚色されていない真実のストーリーであるという事に驚愕する。しかし、鑑賞し終えた後に本事件をWikipediaなどで調べると、映画では語られていない事実など実際の事件のあらましの方が残酷なくらいで、事実は小説より奇なりを地でいく作品となっている。

舞台は1928年のロサンゼルス。アンジェリーナ・ジョリー演じるクリスティン・コリンズは、一人息子のウォルターを女手一つで育てる傍ら電話会社に勤めている。ある土曜の日、彼女は息子と映画に出かける予定だったが、人手不足で急遽休日勤務を行うことになった。勤務を終え息子との約束の時間を過ぎた夕方、彼女が急いで帰宅すると、ウォルターは忽然と姿を消していた。息子を探しに近所を走り回るもウォルターは見つからず、ロス市警に通報する。翌日から捜査が始まるが手掛かりも無いまま時間が過ぎていくが、しかし5ヶ月後、ウォルターがイリノイ州で見つかったという朗報が入る。腐敗と汚職により市民の批判に晒されていたロス市警はここぞとばかりに報道陣を集め、感動の母子再会を演出しようとしていた。息子が乗る列車の停車も待てずに走り出すクリスティン。しかし列車から降りてきた少年は息子とは似ても似つかぬ全く別人だった…。

一見単純に見える息子の失踪事件に隠された驚愕の犯罪。自らの功名心のために虚偽を重ね口封じを行うことも辞さない腐敗し切ったロス市警。これに対し、クリスティンの支持者である牧師を中心に徐々に湧き上がる市民運動。強大な警察権力に立ち向かうクリスティンの行動はロス市警のみならず社会を変えていく大きな原動力となっていく。驚愕の事件をほぼ脚色することなく、しかし感動のヒューマン・ドラマに昇華させた監督と制作陣の辣腕に拍手。(SS)



製作: 2009年 アメリカ 142分
監督: クリント・イーストウッド / Clint EASTWOOD
製作: クリント・イーストウッド / Clint EASTWOOD
出演: アンジェリーナ・ジョリー / Angelina JOLIE, ジェフリー・ドノヴァン / Jeffrey DONOVAN, ジョン・マルコヴィッチ / John MALKOVICH
ジャンル: ドラマ, ミステリー, ノンフィクション
鑑賞方法: Blue-ray

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