シリーズ第29作目。舎弟は再び古本新乃輔演じる拓也。探偵は変わらず麻子&涼子。ここ数作、日高久を観ていないが元気しているのだろうか。ツカミのショートストーリーではビシバシステムの住田隆がシリーズ第8作目『愛人契約』以来の出演。しかし、このツカミで最も驚いたのは住田ではなく立花理佐が出演していたことだ。端役の女にしては可愛い子だと思っていたが、エンディングの出演者のロールでハッと気づいた。
今回の債務者はラサール石井演じる磯部。ディスカウントストアの社長だがその実、店は女房の力で保っており、磯部は商売もソコソコに夜の女に入れ込んでいた。そんな磯部は仕入れの業者から『システム金融』の話を聞かされる。システム金融とは現金と引換にその現金の4割増しの融通手形を発行させ、これを雪だるま式に繰り返して、債務者をキッチリとカタに嵌める方法。当初、磯部は三桁の単位で手形を転がしていたが、欲に目が眩んだ磯部はドツボにはまる…。
前作に引続き融通手形に絡んだ展開だが最後はちょっと尻すぼみ。わずかな三文芝居で悪党から5000万を引き出した磯部に2000万はご褒美としては多すぎだろう。しかし、今回の悪党に配した役者陣が酷すぎる。悪玉には善人顔で甲高い声が特徴の秋野太作で、悪役向けの顔とは正反対の役者。そして悪の舎弟役はAV男優にして『個性派俳優』という体の山本竜二。俳優としての実力はさておき、この配役が作品全体の質を落としているのは間違いない。ブラバスチューンのSLクラスは変わらず。
さて、シリーズの約半分を見終わって今更なのだが、日高久、宇野ポテトや井上茂 に並ぶ端役常連でいつも気になっている女優さんがいる。出演頻度はかなり高く、だいたい債務者の母親みたいな役が多いのだが、今作でもキッチリ出演していたので調べてみたところ、驚愕の事実が発覚することに。その女性の名は『岡田千代』。東映京都撮影所ニューフェース11期生入社の彼女は『ミナミの帝王』シリーズのレギュラー兼プロデューサーの結城哲也 (本作からクレジットは『ゆうき哲也』となっているが、今は『ゆう城哲也』とも表記したりする。)の奥様である。参った。どうりで出演回数が多い訳だ。
更に調査を進めると井上茂は結城哲也の兄貴である事が判明。そして、井上茂は東映京都撮影所でクレジットにも名前が登場しない程の脇役、斬られ役、チンピラ役として出演していた俳優の自然発生的集団『ピラニア軍団』の元メンバーである。ちなみに、本シリーズの出演者では川谷拓三、岩尾正隆、志茂山高也、片桐竜次、室田日出男などが『ピラニア軍団』の元メンバーとして挙げられる。なお、志茂山は『チャンバラトリオ』の現メンバーで、コンビを組む山根伸介、元メンバーの結城哲也、南方英二、伊吹太郎、山根一輝など、本シリーズの端役として出演する役者はこのような狭いネットワークから高頻度で選ばれていることを付け加えておく。(SS)
製作: 1999年 日本 78分
監督: 萩庭貞明 / Sadaaki HAGINIWA
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出演: 竹内力 / Riki TAKEUCHI, 古本新乃輔 / Shinnosuke FURUMOTO, 竹井みどり / Midori TAKEI, いしのようこ / Yoko ISHINO, 結城哲也 / Tetsuya YUKI, 天田益男 / Masuo AMADA, 宇野ポテト / Potato UNO, 井上茂 / Shigeru INOUE, ラサール石井 / Lasarl ISHII, 徳田尚美 / Naomi TOKUDA, 山本竜二 / Ryuji YAMAMOTO, 岡田千代 / Chiyo OKADA
ジャンル: ドラマ
鑑賞方法: DVD
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