1999年製作の本作は、シリーズにおける赤道マイルストーンである第30作目。舎弟は2作前に初出演した山本太郎演じる公平。探偵は矢吹探偵事務所の麻子&涼子で、協力者の沢木組長と広瀬はんは変わらず。債務者には中野英雄演じる山中、悪党の親玉には加納竜だが、今回のキリ取りは悪党からではなく債務者の山中を直接カタに嵌めるため、加納竜はチョイ役の友情出演に留まっている。
今回は赤の他人に会社員証明を販売し、如何にも正規の会社に勤めているかのようなアリバイを売る『アリバイ会社』がテーマ。当初は順調に儲かっていたアリバイ会社も、名義を貸した社員が会社名義で飲み屋にツケを残したたところからほころび始める。そして、そのほころびに悪党がドンドンと付け込み、仕舞いに会社は倒産の憂き目に。しかし、転んでもタダでは起きない社長は出資者の有限責任を悪用して、会社名義で金を借りまくるだけではなく、叩けば埃の出るアリバイ会社の登録者を恐喝し金を強請るのだった…。
本作に登場する『中央銀行 難波支店』はシリーズ第26作目で殺人が行われたサラ金であり、他の作品でも多く出てくる『ミナミの帝王ビルディング』だ。また、中野英雄が居酒屋で一杯飲むシーンがあるが、この際バックで流れている音楽はシリーズ第27作目の『逆転相続』で、布施辰徳演じる城ゆたかが唄う『国東慕情』。久々に聴いたが心に染みるいい唄だ。なお、シリーズも30作目にして初めて銀ちゃんがダッシュするシーンが出た。走らせた債務者は中野英雄演じる山中だが、この偉業はミナミの帝王史に残る。(SS)
製作: 1999年 日本 79分
監督: 萩庭貞明 / Sadaaki HAGINIWA
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出演: 竹内力 / Riki TAKEUCHI, 山本太郎 / Taro YAMAMOTO, 竹井みどり / Midori TAKEI, いしのようこ / Yoko ISHINO, 結城哲也 / Tetsuya YUKI, 天田益男 / Masuo AMADA, 宇野ポテト / Potato UNO, 井上茂 / Shigeru INOUE, 中野英雄 / Hideo NAKANO, 蟷螂襲 / Shu TOUROU, 加納竜 / Ryu KANOU, 島田洋七 / Yoshichi SHIMADA
ジャンル: ドラマ
鑑賞方法: DVD
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