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Thursday, January 17, 2013

難波金融伝ミナミの帝王 #47 誘惑の華 / The King of Minami #47



シリーズ第47作目。冒頭に『これはフィクションであり実在の場所とは関係ありません。』というテロップが流れるが、知る限りではミナミの帝王 シリーズでは初の冒頭における断り書きかと思う。それに続いて『豊田新地』のシーンに移るのだが、これはまぁ西成区にある日本最大級の赤線地帯である『飛田新地』のことだろう。何故『豊田』なのかは意味不明だが、本作はこの飛田新地を舞台に展開する。ちなみにお遊びの料金は11,000円だそうで。舎弟の公平、探偵の翔子とヤーさんの沢木組一家はいつものとおり。なお、沢木組長は胃潰瘍で入院中のため、出演シーンは病院内のみ。また、ストーリーの理解が深まるので、飛田新地に関する基礎知識を事前に頭に詰め込んでおくことをお勧めする。

ということで、本作のテーマは飛田新地で働く女にハマる男にホストクラブにハマる女。そして極道とツルむ悪徳ホストクラブが今回の銀次郎のキリ取り対象者。悪徳ホストクラブは店に借金を作った女を何とかしようと、飛田新地の料亭組合に『ミテコ(18歳以下の女の子)』を紹介して弱みを握った挙句に、借金のカタとして女を売り飛ばしていた。一方、新地の女にハマる男は銀次郎の借金の返済に当てようとしていた自社ビル売却が上手く行かず困り果てていたが、翔子が調査を進めるとその裏には悪徳ホストクラブ関係者が暗躍していることを突き止める…。

ホストクラブ。私は行ったことはないのだが、何しろ焼酎の吉四六が1万円以上もする世界。『酒は原価で』が信条の私としては、ホストクラブで金を散財する、まして借金までして何百万もするボトルを入れる女の気持ちが全く理解できないのだが、こういう世界があるのも現実。そして飛田新地。こちらも行ったことは無いのだが、ホストクラブに入れあげた結果として飛田新地で働くことになった女の過程や、この街が持つ長い歴史が作り上げた独特のルールや考え方、そこに生きる人々が紹介されており、シリーズ第33作『商工ローン』で的屋稼業が紹介されたように、本作では飛田新地の様子が細かく描写されている。

銀次郎が最後のキリ取りに適用したロジックは民事再生法の個人再生手続きだが、本作を観ただけではよく分からず何となくモヤモヤ。見終わった後にググったところやっと理解できたが、簡単は話なので作中でもう少し説明してもいいかと思う。愛車は引続き新型SL。ピカピカに磨き上げられた黒いボディとワインレッドの内装が銀次郎によく似合う。(SS)


製作: 2003年 日本88分
監督: 萩庭貞明 / Sadaaki HAGINIWA
出演: 竹内力 / Riki TAKEUCHI, 山本太郎 / Taro YAMAMOTO, 川島なお美 / Naomi KAWASHIMA, 結城哲也 / Tetsuya YUKI, 天田益男 / Masuo AMADA, 宇野ポテト / Potato UNO, ぼんちおさむ / Osamu BONCHI, 嘉門洋子 / Yoko KAMON, 島村晶子 / Akiko SHIMAMURA, 辻本晃良 / Akiyoshi TSUJIMOTO, 上野潤 / Jun UENO, 石倉英彦 / Hidehiko ISHIKURA, 岡崎二郎 / Jiro OKAZAKI
ジャンル: ドラマ
鑑賞方法: DVD

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