シリーズ第35作目の本作はいろいろと趣が変わった作品となった。まず、冒頭のツカミのシーンに続くタイトルロールで、主な出演者の紹介がされるようになった。だが、結城哲也(ゆうき哲也)と天田益男の沢木組一家は何故かここでは紹介されない。しかし、最も大きな変更点は探偵だ。矢吹探偵事務所の面々が事務所から消え、新たな探偵として川島なお美演じる速水翔子が加わった。萬田金融の事務所シーンでは、体に線に沿うような薄手のシャツと深いスリットの入ったスカートをまとった川島なお美が、その見事なボディシェイプを魅せている。
と言うことで、画的にはメジャー・チェンジを踏んだ本作だが、ストーリー的に大きな変化は無く、むしろ回を追う毎に水戸黄門や大岡越前のようなストーリーの基本線に乗った王道的なシリーズになってきた。悪党には遠藤憲一が起用されており、品川区出身の彼に関西弁による演技はさぞ厳しかったろうと想像するが、違和感を感じないのは遠憲一流のの演技力か、はたまた方言指導の宇野ポテトの力によるものだろうか。(東北出身の私には正確な評価は不可能だが)。
今回のテーマは耳慣れない『道具屋』なる商売。債務不履行などにより差し押さえとなった物件を競売で買い叩き、それをリサイクルショップなどへ転売して利ざやを抜く商売で、これはこれで真っ当な商売なのだが、悪徳道具屋の『ソレイユ』は差し押さえ物件を高額で競り落としたうえに、債務者へ2倍の価格で買い戻しをさせ、債務者をカタに嵌めていた。もう一つのテーマは『小口債務者』。十万二十万という小口の借金を銀次郎に頼むも債務不履行で飛ぶというもの。ところが飛んだ小口債務者の証書をよく見ると、皆がみな同じ住所を記載していたのだった。そしてこの住所のマンションの所有者が『ソレイユ』だった。そして、最後のテーマは『ゼネコンの裏社員』という、表立って出来ない仕事を秘密裏に処理するヤクザまがいの社員。そして、この3つのキーワードに悪徳金融とヤーさんが絡みつつも、最後のキリ取りへと帰結していく。
舎弟の公平も段々と目に慣れてきたが、遠藤憲一演じるソレイユの社長に『このオールバックメガネ!』など、軽口を叩くのが玉にキズ。そんな勢いで時折銀ちゃんにも軽口を叩くのだが、公平に対して銀ちゃんが返事をしたシーンをまだ観た事がない。二人は仲が悪いのだろうか。愛車は変わらずブラバスチューンのSL『なにわ33 む 77-77』。ちなみに、探偵の翔子の愛車は白いBMWのZシリーズ。(SS)
製作: 2000年 日本 75分
監督: 萩庭貞明 / Sadaaki HAGINIWA
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出演: 竹内力 / Riki TAKEUCHI, 山本太郎 / Taro YAMAMOTO, 川島なお美 / Naomi KAWASHIMA, 結城哲也 / Tetsuya YUKI, 天田益男 / Masuo AMADA, 宇野ポテト / Potato UNO, 井上茂 / Shigeru INOUE, 仲本工事 / Koji NAKAMOTO, 遠藤憲一 / Kenichi ENDO, 石橋正次 / Masatsugu ISHIBASHI, 山西道広 / Michihiro YAMANISHI, 山本竜二 / Ryuji YAMAMOTO
ジャンル: ドラマ
鑑賞方法: DVD
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