江戸川乱歩賞を受賞した首藤瓜於による『脳男』の映画化作品。原作は未読ながら興味を惹かれる造語のタイトルが気になっていた。監督は瀧本智行。主演はジャニタレの生田斗真。個人的にジャニタレは余り好きではないのだが、この方はジャニーズにしては珍しく、アイドルというよりも俳優風情が強い感じがするのは自分だけだろうか。共演は江口洋介、松雪泰子、二階堂ふみなど。
刑事の茶屋は無差別連続爆破事件の容疑者が潜伏していると思われる倉庫へ踏み込んだものの、そこに居たのは身元不明の男一人だけで、彼以外の者を取り逃がしてしまう。連続爆破事件の共犯者と思われるこの男は、名を鈴木一郎と名乗ったが、その犯行の異常性から精神鑑定を受けることになった。しかし、鑑定を進めるにつれ、一切の感情を表へ出さない鈴木に興味をもった鑑定医は彼の過去を調べ始めた。すると、彼は天才的な頭脳と驚異的な肉体を併せ持ちながら、呼吸以外の自発的行動を取ることが全く出来ず、『脳男』と呼ばれていたことが分かった…。
猟奇的な連続殺人犯の犯行動機がよく分からない。共犯者も含めてその辺に説明不足と曖昧さがあるが、別に主人公ではないので、省略されててもストーリーの核にはあまり影響ないのかもしれない。映像的には多量の火薬を使った爆破シーンの映像処理が秀逸で日本映画には珍しい。にも関わらず、登山のシーンにおける映像処理は非常にチープで興醒めする。こういう細かいところの品質が全体印象に与える影響は小さくないと思う。脳男の存在には無理を感じないしリアル感も十分あるが、幾ら無痛症だとしてもあんなに派手に車に轢かれたら幾らなんでも死んでしまうだろう。最後の山場にああいうアンリアル感満載のシーンを入れ込むあたりが本作の脚本レベルを示しているが、勧善懲悪では片付けられない脳男の存在が圧倒的にユニークで、原作の質の高さに救われている。(SS)
製作: 2013年 日本 125分
原作: 首藤瓜於 / Urio SHUDO『脳男』
監督: 瀧本智行 / Tomoyuki TAKIMOTO
出演: 生田斗真 / Toma IKUTA, 松雪泰子 / Tomoko MATSUYUKI, 江口洋介 / Yosuke EGUCHI, 二階堂ふみ / Fumi NIKAIDO, 太田莉菜 / Rina OTA, 染谷将太 / Shota SOMEYA, 勝矢 / KAtsuya, 甲本雅裕 / Masahiro KOMOTO, 光石研 / Ken MITSUISHI, 小澤征悦 / Seietsu OZAWA, 石橋蓮司 / Renji ISHIBASHI, 夏八木勲 / Isao NATSUYAGI
ジャンル: クライム, サスペンス, アクション
鑑賞方法: DVD
監督: 瀧本智行 / Tomoyuki TAKIMOTO
出演: 生田斗真 / Toma IKUTA, 松雪泰子 / Tomoko MATSUYUKI, 江口洋介 / Yosuke EGUCHI, 二階堂ふみ / Fumi NIKAIDO, 太田莉菜 / Rina OTA, 染谷将太 / Shota SOMEYA, 勝矢 / KAtsuya, 甲本雅裕 / Masahiro KOMOTO, 光石研 / Ken MITSUISHI, 小澤征悦 / Seietsu OZAWA, 石橋蓮司 / Renji ISHIBASHI, 夏八木勲 / Isao NATSUYAGI
ジャンル: クライム, サスペンス, アクション
鑑賞方法: DVD
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