オリヴァー・ストーンが脚本をとった本作は、イスタンブール空港からアメリカへトルコの麻薬であるハシシを持ちだそうとして当局へ拘束されトルコ刑務所に投獄されたアメリカ人旅行者ビリー・ヘイズの実話を元にした作品。
こんな経験したくない、という思いは映画やドキュメンタリーを観て、時々思うことがあるが、本作はまさにそういう思いを聴衆に抱かせる作品。重要なことだが、ビリーが犯した罪は事実であり、彼は犯罪者である。トルコ国内の法に則り下された判決も不当ではないだろう。つまり、ビリーは罪を犯したが故に現地の法で裁かれ刑に服すのだが、しかし、作中で描かれるトルコの刑務所の環境が凄まじい。超恐怖の刑務官、劣悪で不衛生極まりない獄中環境、イカれた囚人たち。プリズン・ブレイクで似たような環境の収容所が描かれていたが、あちらは完全にフィクションで『ありえない』という思いで見ていた。しかしこちらはノンフィクション作品。刑務所のシーンは脚色が相当強いと分かっていても、見ているこちらも気が滅入ってくる。しかし、そんな中でさらなる災難がビリーへ降りかかる…。
78年の作品とは思えない映像と音楽も素晴らしい。作品発表当初は本作で描かれた刑務所内の環境に対してトルコ政府から抗議があったそうだが、そりゃそうだ。描かれ方が酷すぎる。また、本作がきっかけの一つとなり、米・トルコ政府の犯罪人引渡条約締結に至ったという。人や物事には役割というのが必ずあるものだ。(SS)
製作: 1978年 アメリカ 121分
監督: アラン・パーカー / Alan PARKER
製作:
出演: ブラッド・デイヴィス / Brad DAVIS
ジャンル: ドラマ
鑑賞方法: The Cinema
製作:
出演: ブラッド・デイヴィス / Brad DAVIS
ジャンル: ドラマ
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