シリーズ第38作目の本作は、18歳の時からソープで働く女をして『いっぺん染み付いた汚れは簡単に落ちるもんやない。きれいな水で泳ぐも人生。汚れた水で泳ぐも人生や』と、中々含蓄のある台詞で始まる。舎弟は公平、探偵は翔子。ヤーさんは沢木の親分と広瀬はん。梅子が第23作目の長編版以来となる久々の出演。債務者と悪党には野上正義、ベンガル、赤塚真人に渡辺裕之といったビッグネームが名を連ねる一方、長原成樹や和泉修らの関西芸人もしっかり。
ヒューマンドラマ風情を全面に押し出した前作と異なり、本作では極道におかまにチンピラに怪しげな『事件師』と多様な人間が絡みつつの少々雑多なストーリー展開。『事件師』とは被害者を言葉巧みに取込む役を負う者で、今回は極道金融の裏で暗躍し債務者の保険金受取人を変更する念書を書かせたり、権利書の名義を書き換えさせたりと、債務者をドツボに嵌めまくる…。最後のキリトリは久しぶりに力づくでは無い知的なキリ取りでほどほどに高品質。
TVの2時間サスペンスものでは脇役が多い赤塚真人のオカマの演技がなかなか秀逸。加えて、渡辺裕之と竹内力の相対するシーンはそれなりの迫力で、少々雑な展開に厚みを持たせている一方、ベンガルは事件師にぴったりと、キャスティングの妙が光る。シリーズも40作目を間近にして、眉間に皺を寄せつつどかっとソファーに座る銀ちゃんの姿が多くなり、いよいよ台詞も少なめになってきた。どうでも良いが、本作公開時から12年経った現在の川島なお美を見ると、顔の違いというか目元周りが違いすぎて驚く。愛車はブラバスチューンSL。(SS)
製作: 2001年 日本 91分
監督: 萩庭貞明 / Sadaaki HAGINIWA
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出演: 竹内力 / Riki TAKEUCHI, 山本太郎 / Taro YAMAMOTO, 川島なお美 / Naomi KAWASHIMA, 結城哲也 / Tetsuya YUKI, 天田益男 / Masuo AMADA, 梅垣義明 / Yoshiaki UMEGAKI, 赤塚真人 / Makoto AKATSUKO, 野上正義 / Masayoshi NOGAMI, 里見まさと / Masato SATOMI, 長原成樹 / Seiki NAGAHARA, 和泉修 / Shu IZUMI, ベンガル / Bengal, 渡辺裕之 / Hiroyuki WATANABE, 里吉萌亜 / Moa SATOYOSHI
ジャンル: ドラマ
鑑賞方法: DVD
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