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Tuesday, February 18, 2014

ストロベリーナイト シーズン1 (TV) #2 / Strawberry Night Season 1 (TV) #2



前回に引続き、第6話から最終話まで。

第6話「感染遊戯」
★★☆ 製薬会社勤務のエリート社員が自宅前でメッタ刺しに殺害された。被害者の着衣のボタンから犯人のものとおぼしき指紋が検出された一方、自宅の呼び鈴からは指紋が見つからなかった。姫川は犯人の狙いを被害者ではなく、旧厚生官僚として薬害感染問題に深く関与していた被害者の父親だったのではないかと睨み捜査を開始する…。

1話完結。捜査員の葉山の心の葛藤、姫川の勘働き、菊川の後輩に対する思いなど、姫川班の捜査官の人間ドラマがバランスよく描かれている。協働する所轄の捜査官に加藤あいを配して、それなりに役割を与えているのだがその必要はあったのか疑問。

第7 - 8話「悪しき実」
★★★ 右半身だけ死後硬直が早く解けた男性の変死体が発見された。通報者は恋人の女性と思わるが行方不明。男性のアパートからは13個の木片と私設私書箱の鍵が見つかる。手掛かりが乏しいなか、姫川は私設私書箱の中から多くの暴力団関係者の写真を見つけ、さらに全員が殺害されていることが判明する…。

右半身と左半身で死後硬直具合が異なるという変死体、ツカミの殺害シーンと行方をくらました被害者の恋人。姫川の推理を軸としたストーリー展開が素晴らしく、不幸な女性を演じる木村多江の好演が光る。謎解きと人間ドラマのバランスが秀逸な良作だが、一方で13人の暴力団関係者が殺害された事件の真相が置き去りになっているのが、心に引っ掛かる。

第9 - 第11話「ソウルケイジ」
★★★ 多摩川の土手で血まみれの左手首が発見された。被害者の手首は大工の高岡のものであり、高岡の工場から致死量を超える血液が発見されたことを考慮して死体損壊遺棄事件として捜査が進められた。一方、高岡の過去を調べていくと、高岡は従業員の三島を他人でありながら我が子のように育てていたこと、そして三島の父親はかつて高岡が働いていた工事現場で転落死していた事を突き止める…。

初の3話構成作品。血まみれの手首、高岡の過去と三島との関係など、二転三転する展開はスピード感があり、3話に分けられていても長くは感じない。ただ、登場人物が多くてかつ裏があり複雑なので名前を覚えないと面白さが半減するかもしれない。最終話らしい面白さだが、明らかになった真相が少々腑に落ちないのは自分だけだろうか。


刑事モノとして「謎解きの面白さ」を素直に味わえる作品。原作そのものが持つ面白さとそれを削ぐこと無く脚色されたストーリー、姫川班およびそれを取り巻く癖のある捜査官達との人間群像と秀逸な配役、テレビでよく表現出来たなと思う凄惨な映像の処理、それぞれのバランスが秀逸で、久々にフジテレビ謹製ドラマの面白さを充分に堪能出来た。全11話は「シーズン1」という体でリリースされているが、恐らくシーズン2などは無さそうである。ただ、原作はまだ続いているようなので、「踊る―」シリーズのようなフジテレ看板作品に育てるべく、シーズン2の制作を期待したい。(SS)


製作: 2012年 日本
演出: 佐藤祐市 / Yuichi SATO, 石川淳一 / Junichi ISHIKAWA 
原作: 誉田哲也 / Tetsuya HONDA「シンメトリー」「感染遊戯」「ソウルケイジ」 
出演: 竹内結子 / Yuko TAKEUCHI, 西島秀俊 / Hicetoshi NISHIJIMA小出恵介 / Keisuke KOIDE宇梶剛士 / Tsuyoshi UKAJI, 丸山隆平 / Ryuhei MARUYAMA, 渡辺いっけい / Ikkei WATANABE, 遠藤憲一 / Kenichi WATANABE, 高嶋政宏 / Masahiro TAKASHIMA, 生瀬勝久 / Katsuhisa NAMASE, 武田鉄矢 / Tetsuya TAKEDA, 滝藤賢一 / Kenichi TAKITO, 津川雅彦 / MasahikoTSUGAWA, 北見敏之 / Toshiyuki KITAMI, 杉本哲太 / Tetta SUGIMOTO, 滝藤賢一 / Kenichi TAKITO, 小木茂光 / Shigemitsu OGI, 石黒賢 / Ken ISHIGURO, 加藤あい / Ai KATO, 木村多江 / Tae KIMURA, 杉本哲太 / Tetta SUGIMOTO, 濱田岳 / Gaku HAMADA
ジャンル: サスペンス
鑑賞方法: DVD
エピソード: 
 第1話 「シンメトリー」
 第2話 「右では殴らない」
 第3話 「右では殴らない2」
 第4話 「過ぎた正義」
 第5話 「選ばれた殺意~過ぎた正義」
 第6話 「感染遊戯」
 第7話 「悪しき実」
 第8話 「悪しき実~嗚咽」
 第9話 「ソウルケイジ」
 第10話 「檻に閉じ込められた親子~ソウルケイジ」
 第11話 「こんなにも人を愛した殺人者がいただろうか~ソウルケイジ」

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