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Friday, November 16, 2012

難波金融伝ミナミの帝王 #27 劇場版XII 逆転相続 / The King of Minami #27



シリーズ第27作目で劇場版第12作目。拓也、麻子&涼子は変わらず。債務者の追い込みでは京阪地域四国などの近距離出張が多いが、それ以外では九州主張が多く、まして東京は麻子が第5作目『キタの女闇金』で対象者の調査に行ったくらいだろうか。個人的には大阪発青森行の寝台特急『日本海』に乗って東北へ逃げる債務者のほうがイメージしやすいのだが、そうではないようだ。ということで、今回は大分の別府温泉へキリ取り出張する銀次郎。ちなみに、大分県は竹内力の出身地でもあり、本シリーズではシリーズ第16作目『偽装結婚』に続く2回目の別府温泉出張。

今回は商社の女社長が遊ぶ金欲しさに銀ちゃんから金を借りようとするも銀ちゃんに断られるところから始まる。一方、売れない演歌歌手の藤巻は、家族のためを思い銀ちゃんから借金をして違法カジノへ投資したのだが、そのカジノが警察に摘発されてしまい投資金は全額露と消えてしまう。しかし、この投資を募った岩崎という男は警察の手入れを事前に知っており、はじめから詐欺を意図した投資金を募集していたのだった…。

今となっては珍しくも無いが、DNA鑑定という当時はそれなりに目新しい知見を絡めつつ、商社の女社長、売れない演歌歌手、そして演歌歌手の義理の息子と、最初はバラバラの要素がエンディングに向かって帰結していく様はいつものとおり。悪党の片棒を担いだ女社長役の松居一代だが、大阪弁も迫力があり中々の演技で魅せる。たった一人でもこうした存在感のある女優が出ると画面の雰囲気に厚みが出て安心して見られる。

ところで、銀ちゃんが債務者を追い込む際に、借金返済方法の提案としてよく挙げられるのが、原発作業員・マグロ遠洋漁船・腎臓・肝臓・角膜にソープと言ったところが定番だが、今回は新たに国際養子縁組という新提案が。子供までも借金返済の便に利用しようとは怖い怖い。シリーズでは初めてだと思うが、夜逃げした債務者の家に入るために、銀ちゃん自ら器物破損の罪を犯している。付近の住民に110番されたのだがその辺は有耶無耶になっているようだ。

本作の冒頭では、布施辰徳演じる城ゆたかが持ち歌の『国東慕情』を唄うシーンから始まるが、その際宇野ポテトがステージ上でMC役として登場しているが、これを観てシリーズ第11作目の『欲望の街』でのい十三ミュージックが脳裏をよぎった人は相当な『ミナミの帝王』好きである。しかし、この『国東慕情』は劇中で散々流れるのだが、それなりにいい歌だな。CD化はされてないようだが何気に欲しくなるメロディーだ。そういえば、今回は銀ちゃんの愛車が出てないような気がするが、気のせいか。また、今回より衣装協力として竹内力自身のファッションブランドである『RIKI TAKEUCHI』がクレジットされている。(SS)


製作: 1998年 日本 82分
監督: 萩庭貞明 / Sadaaki HAGINIWA
製作: 
出演: 竹内力 / Riki TAKEUCHI, 古本新乃輔 / Shinnosuke FIURUMOTO, 竹井みどり / Midori TAKEI, いしのようこ / Yoko ISHINO, 結城哲也 / Tetsuya YUKI, 天田益男 / Masuo AMADA, 宇野ポテト / Potato UNO, 布施辰徳 / Tatsunori HUSE, 松居一代 / Kazuyo MATSUI, 丹波義隆 / Yoshitaka TANBA, 福家美峰 / Bihou FUKUYA, 山本竜二 / Ryuji YAMAMOTO
ジャンル: ドラマ
鑑賞方法: DVD

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