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Wednesday, September 26, 2012

ゴールデンスランバー / A Memory

☆☆☆

地元の仙台にて凱旋パレードを行なっていた首相を突然襲った爆弾テロ。何者かの陰謀により突然首相暗殺犯に仕立てられた男の逃走劇を描く、日本映画ではありそうで無かったサスペンス。主人公と周りの友人達の「大学時代の思い出話」と「逃走劇」の2軸がモンタージュで描かれ、「思い出話」で撒かれた伏線を、「逃走劇」で回収していくというのが基本構成である。

始まりは、大学時代の友人から呼び出された主人公は「お前オズワルドにされるぞ」と言われるところなのだが、かなり突拍子な感じが否めない。逃走劇も迫力不足でスピード感もなく、逃走エリアが仙台市内限定なので逃走の広がりも無い。逃走している緊張感が無い普通の格好の主人公。逃走に使用する車はこれでもかと目立つボロボロの旧車。謎すぎる協力者と現実離れした逃走の山場。逃走劇を主題にした映画というにはおこごましいだろう。かと言って、大学時代の友人達との人間関係に重きを置くわけでもなく、中途半端なストーリー。コミカルな笑いを混ぜ込んでいるが、ニヤリとさせられるものは数少ない。ラストの伏線回収はいい感じだったので、最後は気持よく見終えたのがせめてもの救い。(SS)


製作: 2010年 日本 139分
監督: 中村義洋 / Yoshihiro NAKAMURA
製作: 
出演: 堺雅人 / Masato SAKAI, 竹内結子 / Yuko TAKEUCHI, 吉岡秀隆 / Hidetaka YOSHIOKA, 濱田岳 / Takeshi HAMADA, 劇団ひとり / Gekidan-Hitori, 柄本明 / Akira EMOTO, ベンガル / Bengal, 大森南朋 / Nao OMORI, 貫地谷しほり / Shihori KANJIYA, 相武紗季 / Saki AIBU, 永島敏行 / Toshiyuki NAGASHIMA, 石丸謙二郎 Kenjiro ISHIMARU, 香川照之 / Teruyuki KAGAWA, 上田耕一 / Koichi UEDA, 竜雷太 / Raita RYU, 伊東四朗 / Shiro ITO, 木内みどり / Midori KIUCHI, 山口良一 / Ryoichi YAMAGUCHI, 
ジャンル: サスペンス
鑑賞方法: DVD

鬼畜 / The Demon

★☆

商売が立ち行かなくなり愛人と隠し子を養えなくなった男が、金の切れ目は縁の切れ目とばかりに3人の隠し子突然押し付けられる。商売を取り巻く状況は厳しさを増し、女房は隠し子に辛く当たり、愛人は行方不明。そんな中、育児放棄と不慮の事故の末に末っ子が栄養失調で亡くなってしまうが、これをきっかけに、男は残りの2人の「処分」に取り掛かる…。タイトルどおりの「鬼畜」ぶりが目に余る主人公の男を緒形拳、その女房のお梅役に岩下志麻を配し、徹底して隠し子に冷徹なお梅と、迷いながらも次第にお梅と共に「処分」に手を染めていく男の心情が見事に描かれた演出と、情景を代弁するが如く上質な音楽が非常に秀逸。一方、人物や風景に寄るシーンでは何故かカメラのズームアップがぎこちない動きで少々気になる。

「鬼畜」とは主人公の男の事なのか、もしくはその妻なのか。はたまた子を捨てて姿を消した愛人なのか。立場や環境や金銭的状況が親が子を思う気持ちに変化を与えようとも、子が親を慕い思う気持ちに変わりは無いのだろう。疑念を持ちながらも親を愛する子供の純粋な心。どんな事をされても父親を好きであり続ける、子の心情が観ているこちらの心に突き刺さる。(SS)



製作: 1978年 日本 110分
監督: 野村芳太郎 / Yoshitarou NOMURA
製作: 野村芳太郎 / Yoshitarou NOMURA
出演: 緒形拳 / Ken OGATA, 岩下志麻 / Shima IWASHITA
ジャンル: ドラマ, サスペンス
鑑賞方法: DVD