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Tuesday, July 17, 2012

トランスポーター 2 / The Transporter 2



合法違法を問わずどんな品物も正確に運ぶプロの運び屋の活躍を描いた『トランスポーター』の続編。プロの運び屋フランクは、今回もやばい品物を運んでいるのか、と思ったら高級車の運転手として6歳の少年の送り迎えという、簡単な仕事を引き受けていた。舞台は前作の南仏からアメリカのフロリダへと移る。

フランクは裕福な家庭の一人息子ジャックの送迎という平凡な仕事についていた。送迎の車内ではジャックとなぞなぞを言い合う、平凡ながらも平和な『運び屋』の仕事だが、フランクはどこか満足しているように見えた。ある日、ジャックを予防接種のため送迎して欲しいと頼まれたフランクは、ジャックとともに病院を訪ねた。しかし、病院にはいつもの受付嬢も掛かりつけの先生も居ない。不穏な空気にジャックが気づいた時、両手にマシンガンのセクシーな女の殺し屋が現れ、ジャックが奪われてしまう…。

彼の運び屋のプロとしての3つの原則: 1. 契約厳守。2. 名前は聞かない。3. 依頼品は開けない、はどこかへ行ってしまったようで、今回の原則はシートベルトを締める、とかそういう普通の事になってしまった。そして、前作よりもパワーアップしたカーアクションだがチープなCGも相まって少々やり過ぎ感も否めない。それと呼応するように、フランクのアクションシーンもパワーアップしているが、こちらはまぁ見られる。フランスの警部補が現れると突如コメディータッチになる展開はリュック・ベッソンの『タクシー』にどことなく雰囲気が似ているのは気のせいか。全体的に可もなく不可もなく、シリーズ物の中盤作品によくある、前回作品を上回ろうとして頑張ったが、少々裏目に出てしまったという作品。(SS)


原題: Le Transoporteur 2
製作: 2005年 アメリカ, フランス 88分
監督: ルイ・ルテリエ / Louis LETERRIER
製作: リュック・ベッソン / Luc BESSON
出演: ジェイソン・ステイサム / Jason STATHAM, フランソワ・ベルレアン / Francois BERLEAND
ジャンル: アクション, クライム
鑑賞方法: Movie Plus

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エグゼクティブ・デシジョン / Executive Decision



カート・ラッセル主演のハイジャックアクション。主演級の役を演じる俳優としてはスティーヴン・セガールも出演しているが、前半であっさり居なくなってポカーンとする。しかし、その後は観る者を全く飽きさせない展開が連続する。

アテネ発ワシントン行きの旅客機が毒ガス兵器を機内に持ち込んだテロリストによってハイジャックされた。ハイジャック犯は獄中の指導者たちの開放を要求。アメリカ政府は毒ガス兵器が首都ワシントンD.C.の上空で使用される事を避けるため、ハイジャック機を撃墜する決断の検討を開始する一方、軍の特殊部隊による、ハイジャック犯の制圧と乗客救助のために、空中からジャンボ機に舞台を送り込む作戦を決行する。

ストーリのほとんどは狭く暗い旅客機内で展開されるのだが、とにかく飽きさせない工夫で溢れ、アイデアがてんこ盛りの良質な脚本。空中でのジャンボ機への乗り込み、毒ガス兵器の解除、揺れる飛行機、客室の外で密かに活動する特殊部隊、キャビン・アテンダントのみならず乗客も巻き込んで、ハイジャック犯を追い詰めていく。しかもタイムリミット付き。最後の最後まで飽きずにテンポよく、ハラハラ・ドキドキ感を楽しめる上質な娯楽映画。ラストシーンはどこかの映画のエンディングと被っているような気がするが、ニヤリとさせるいい纏め方だと思う。(SS)


製作: 1996年 アメリカ 132分
監督: スチュアート・ベアード / Stuart BAIRD
製作: 
出演: カート・ラッセル / Kurt RUSSEL, スティーヴン・セガール / Steven SEGAL, ハル・ベリー / Halle BERRY, ジョン・レグイザモ / John LEGUIZAMO
ジャンル: サスペンス, アクション
鑑賞方法: DVD

トランスポーター / The Transporter



リュック・ベッソン製作・脚本でカーアクションといえば『タクシー』を思い出すが、本作もどことなく似たような雰囲気の作品。合法違法を問わずどんな品物も正確に運ぶプロの運び屋フランク。彼のプロとしての原則は3つある。1. 契約厳守。2. 名前は聞かない。3. 依頼品は開けない。この3つを厳守することで、運び屋の世界で名声を得ていた。そんな彼の元に新たな依頼が入った。タイガービールを飲む顧客から正確な積荷の詳細を聞くフランク。時間キッチリに荷物を受け取り、いつもどおり愛車のBMW735で目的地へと向かったが、『荷物』はどうやら生きている人間らしい。悩んだフランクだったが、仏心からか遂に自らのルールを破り、バッグを開けて『荷物』に飲み物を与えてしまう。しかし、これが全てのトラブルの原因だった…。

『タクシー』は正義感の強いドライバーが違反の数々を棒引きにしてもらう代わりに警察と組んで悪者退治をする、といった感じの話だが本作も雰囲気は似たようなものだ。だからと言って、決して二番煎じの作品ではなく、お約束のカーアクションにフランクを演じるジェイソン・ステイサムの生身のアクションと、時にユーモアを織り交ぜ、テンポの良いストーリー展開で気持よく鑑賞できる。

結局スー・チー演じるライは『荷物』になる必要があったのか、もう1個のコンテナは何処へ行ったのか、など気になる事が幾つかあるが、この手の娯楽映画ではそういう事は気にすまい。作中でやたらと露出するタイガービールの画と、アジア系悪者でお馴染みのリック・ヤンの化粧が濃すぎて残像が脳みそから離れない。(SS)


原題: Le Transoporteur
製作: 2003年 アメリカ, フランス 93分
監督: ルイ・ルテリエ / Louis LETERRIER
製作: リュック・ベッソン / Luc BESSON
出演: ジェイソン・ステイサム / Jason STATHAM, スー・チー / Shu QI, フランソワ・ベルレアン / Francois BERLEAND, リック・ヤン / Ric YOUNG
ジャンル: アクション, クライム
鑑賞方法: Movie Plus

 ブックオフオンライン

Monday, July 16, 2012

セックスと嘘とビデオテープ / Sex, Lies and Videotape



本作でカンヌ映画祭パルムドールに輝いた、スティーヴン・ソダーバーグの監督デビュー作品。弁護士のジョンとアンの夫婦は、実はセックスレスで夫のジョンはアンの妹であるシンシアと不倫関係にあった。そんな夫婦の元を訪ねたジョンの大学時代の旧友グレアム。一見大過のない日常を過ごしているかに見えるアンとシンシアに対してグレアムが向けるビデオカメラは、彼女たちの自己に潜む内面が浮かび上がせていく。

グレアムを演じるジェームス・スペイダーの演技が何とも言えない雰囲気を醸しだしており、嘘に満ちたジョン、アン、シンシアの関係に静かにくさびを打ち込むストレンジャーの役を見事に演じきっている。ストーリーは淡々と流れるのみで、これといった掴みも無ければ山場も無く、最後もそれなりハッピーエンド。このあっさりとした演出は評価の分かれるところだが、冒頭の道路の路面が流れるシーンから何故か本作に引き込まれていくのを感じた。どうでもいい事だが、ピーター・ギャラガーとローラ・サン・ジャコモの不倫カップルの眉毛が濃すぎるのが目に痛い。せめて片一方はもう少し薄くても良いのに。(SS)


製作: 1989年 アメリカ 100分
監督: スティーヴン・ソダーバーグ / Steven SODERBERGH
製作:
出演: アンディー・マクダウェル / Andie MacDOWELL, ジェームス・スペイダー / James SPADER, ピーター・ギャラガー / Peter GALLAGHER, ローラ・サン・ジャコモ / Laura San GIACOMO
ジャンル: ドラマ
鑑賞方法: IMAGICA BS


 HMVジャパン CD DVD セブンネットショッピング

Sunday, July 15, 2012

クレオパトラ / Cleopatra



レンタルするにせよ購入するにせよ、なかなか手が動かなかった本作だが、昼下がりのNHK-BSで4時間4分のロングバージョンで鑑賞することが出来た。ストーリーはタイトル通り、エリザベス・テイラー演じるクレオパトラの半生を描いた歴史スペクタクル作品。

当時の制作費が4400万ドル、現在の貨幣価値に直すと約3億ドル以上(Wikipediaより)と、まさに、映画が娯楽の王様でありハリウッドがその隆盛を極めた時代に作られた作品であろうことが、巨額の制作費からのみならず様々なシーンの端々から見て取れる。数千人のエキストラと超巨大なセット、今ではおおよそ再現不可能と思われる、超長回しで撮影されたクレオパトラのローマ訪問シーンはその象徴であろう。他にも、数百隻の軍艦が海上での闘いに挑むシーンや巨大な建造物など、今ではCGで処理してしまうところを全てセットとフィルムで再現し、妥協無く精細に仕上げた映像は、見応え充分。

まさに豪華絢爛の大迫力映像。しかし裏を返すとそれだけの映画でもある。ストーリーには山場も無く、涙や感動、笑いを誘うシーンもなく淡々と進行するのみ。クレオパトラとローマ帝国の歴史に興味がない人には少々辛い。素晴らしい映像は堪能できるが、素晴らしいストーリーには出会えない、そんな映画だ。(SS)


製作: 1963年 アメリカ 244分
監督: ジョセフ・L・マンキウイッツ / Joseph L. MANKIEWICZ
製作: ジョセフ・L・マンキウイッツ / Joseph L. MANKIEWICZ
出演: エリザベス・テイラー / Elizabeth TAYLOR, レックス・ハリソン / Rex HARRISON, リチャード・バートン / Richard BURTON, ケネス・ヘイ / Kenneth HAIGH
ジャンル: ヒストリー, 戦争, スペクタクル
鑑賞方法: NHK-BS



Lifestyle システム

ソニーストア

Thursday, July 12, 2012

キック・アス / Kick-Ass



スパイダーマンやX-MENなどのアメリカン・ヒーローものだと思って観ると痛い目にあう。超ハードで無慈悲な殺戮シーンもあればコメディーもありアクションもある。しかも殺しまくるのは高校生や小学生の可愛い女の子…。

アメコミ好きのN.Y.の高校生デイヴは、ある日ネットでウエットスーツとマスクを購入。ヒーロー『キック・アス』として街のパトロールに出た。だが、デイヴはその初日で、街のチンピラにボコボコにされ重傷を負ってしまう。ところが、退院したデイヴは懲りることなく『キック・アス Ver. 2.0』としてパトロールを再開。そして、あるチンピラの喧嘩で体を張った様子を野次馬により動画サイトにアップされた事から一躍話題の人に。ある日、高校でお気入りの女の子からメールで依頼された件で、ヤクの売人を訪ねたキック・アスだが、逆に殺されかけてしまう。しかし、その窮地を救ったのは、キック・アスとは別次元の強さを誇るヒーロー『ビッグ・ダディ』と、彼の娘で産まれながらに殺人マシーンとして育てられた『ヒット・ガール』だった。

観ている自分も評価が別れてしまうほど本作の内容は強烈。11歳の少女による容赦無い殺戮。しかもマスクを被ったヒット・ガールがタレ目な感じでやたら可愛いときてる。キック・アスも考えて見れば普通の高校生だが、ガトリングガンを連射して敵を殺しまくる。コメディータッチのシーンも多いが、バイオレンスシーンでは笑い要素を一切除外して、妥協の無い映像に仕上げている。そういう意味ではきちんと作られたバイオレンス映画である一方、我が娘を私的な復讐のために殺人マシーンとして育てる父親、父のためならと何の躊躇いもなく殺害を行う11歳の少女。そこには既存のアメコミが持つ、勧善懲悪や貫かれた正義といったものは存在せず、ストーリーのモラルが破錠している。

私的レビューとしては、上記の解釈如何によって2つ星か4つ星に分かれるのだが、やっぱりいくら可愛いと言っても、11歳の女の子にR15+レベルの殺害をさせるシーンが頻発するようでは、やっぱり好きになれないという結論。全体の完成度は高いが、続編の存在を露骨に匂わせるラストシーンだけは少々頂けない。(SS)


製作: 2010年 イギリス, アメリカ 117分
監督: マシュー・ヴォーン / Matthew VAUGHN
製作: マシュー・ヴォーン / Matthew VAUGHN
出演: アーロン・ジョンソン / Aaron JOHNSON, クロエ・グレース・モレッツ / Chlo Grace MORETZ・クリストファー・ミンツ=プラッセ / Christopher MINTZ-PLASSE, ニコラス・ケイジ / Nicolas CAGE, マーク・ストロング / Mark STRONG,
ジャンル: アクション, R15+, コメディー, クライム
鑑賞方法: 映画館, DVD


Tuesday, July 10, 2012

告白 (映画) / Confessions (film)



湊かなえのデビュー作にして発売年度の『週刊文春ミステリーベスト10第1位』『本屋大賞』などを受賞した同名のベストセラーを映画化した復讐サスペンス。

一人娘を事故で失った中学校の女性教師、森口悠子は終業式のホームルームで生徒にある事を告げた。一人娘の死は事故死ではなく殺されたのだと。森口は犯人である少年Aと少年Bを指し示し、娘が死に至るまでの顛末を静かに語りはじめた。そして、少年法によって守られた二人の罪の償いは警察に委ねず、代わりに彼らに恐ろしい復讐を仕掛けたと…。

森口の復讐劇が森口本人、少年AとB、その母親やクラスメイトと事件に関わる人間達の視点から語られる。原作の第1章『聖職者』が全章中、最も秀逸な内容であるのと同様に、本作も冒頭の30分を費やして緊迫感のある映像に仕上げているが、以降の各人の告白も相当な完成度だ。また、松たか子や木村佳乃の演技も素晴らしいのだが、少年Aを演じる西井幸人の真っ直ぐな演技が素晴らしく、少年Aが抱える心の闇と屈折した心の情景を見事に表現している。

ダン・ブラウンやトマス・ハリスなど、映画とその原作の両方を見た作品においては、概ね原作の方が素晴らしく、映像化するとどうしても端折ってしまう部分などがあって幻滅するものだ。本作のラストシーンは原作と異なり映画らしい纏め方で、個人的にはあまり好きではないが、全体としては原作の完成度に負けない作品となっている。そして原作同様、見終わった後の胸糞の悪さも相当なものだ。(SS)


製作: 2010年 日本 106分
監督: 中島哲也 / Tetsuya NAKAJIMA
製作: 
出演: 松たか子 / Takako MATSU, 西井幸人 / Yukito NISHII, 木村佳乃 / Yoshino KIMURA, 岡田将生 / Masaki OKADA, 藤原薫 / Kaoru FUJIWARA, 橋本愛 / Ai HASHIMOTO
ジャンル: R15+, サスペンス
鑑賞方法: DVD


 

告白 (小説) / Confessions (novel)



発売年度の『週刊文春ミステリーベスト10第1位』『このミステリーがすごい!第4位』『本屋大賞』などを総なめし、松たか子主演の映画も大ヒットした、湊かなえのデビュー作。

ある中学校の女性教師、森口悠子は終業式のホームルームで自分は教師を辞めるという事を生徒に告げる。一人娘を校内で亡くした事がその理由だと誰もが気づいていたが、森口は娘の死は事故死ではなく殺されたのだとして、犯人である少年2名を指し示す。そして、罪の償いは警察に委ねず、代わりに彼らに恐ろしい復讐を仕掛けたと宣告する…。ストーリーは『聖職者』『殉教者』『慈愛者』『求道者』『信奉者』『伝道者』の6章から成り、第3章の求道者以降は、本作発表のための書き下ろし作品となっている。なお、第1章の『聖職者』は月刊『小説推理』2007年8月号に初出され、小説推理新人賞を受賞している。

我が娘を殺害された教師である森口、犯人、級友、犯人の家族、と各章異なる人物の視点から見た形式で語らせつつ、事件と復讐劇の真相に迫っていく。驚くのは『聖職者』を書いた時点で、筆者は続編を書くつもりがなかったこと。また、確信に迫り復讐が完結する後半の章に至っては、書き下ろしであるにも関わらず、前半の章で適度に撒かれた伏線など、あたかも最初から全て練られていたようなストーリー展開。はっきり言って読んだ後に胸糞が相当悪くなるが、処女作と思えない圧倒的な筆力と深い構成を堪能できる作品。(SS)


初版発行: 2008年
著者: 湊かなえ / Kanae MINATO
ISBN-10: 4575236284
ISBN-13: 978-4575236286


 

Beat Emotion - BOOWY



BOOWY5枚目のオリジナル・アルバム。前作の『Just a Hero』は楽曲的には好きな歌も多かったが、少しマニアックな感もあった。そういう意味では本作は非常に分かりやすい音楽になっており、これがチャート1位を獲得し商業的にも成功した理由だろう。個人的にもBOOWYの好きなアルバム1位か2位かという好きな作品。また、音楽だけなくこのジャケットが格好良い。CDの裏面はベースの松井恒松と高橋まことの写真だがこれも良い。当時、友人の家に遊びに行った際に、部屋にこのジャケットの表裏をデザインしたどでかいポスター ―多分A0サイズはあったと思う― が貼ってあり、凄い羨ましかったのを思い出す。売ってくれと頼んだけど、非売品だったのか売ってくれなかったな。

 iTunes Music Store(Japan)メンバー自身が商業的な成功も狙って作成した、と言うだけあって、とにかくキャッチなメロディーの曲ばかりだが、決して売れ線を狙った安易な仕上がりじゃない。B・Blueなど当時聴いた時には、そのオープニングの斬新さに衝撃を受けると同時に、一気に『Beat Emotion』という作品に引きずり込まれたものだ。如何せん、25年以上のアルバムだが今聴いても秀逸なメロディー。この『Beat Emotion』と続く6枚目のアルバム『Psychopath』を聴いたらBOOWYのファンになってしまうことを請け合う。今となっては意味が分からない人も多いだろうが、5曲目のNoise Limitterと松井のベースに続く布袋のギターソロが圧巻の10曲目、Working ManはCDのみ収録されており、LPには未収録というのも時代を感じる。(SS)


Beat Emotion - BOOWY
製作: 1986年
1. B・BLUE
2. ONLY YOU
3. RUNAWAY TRAIN
4. BEAT SWEET
5. NOISE LIMITTER
6. DON’T ASK ME
7. B・E・L・I・E・V・E
8. SUPER-CALIFRAGILISTIC-EXPIARI-DOCIOUS
9. DOWN TOWN SHUFFLE
10. WORKING MAN
11. RAIN IN MY HEART
12. DRAMATIC?DRASTIC!
13. OUR REVOLUTION
14. SENSITIVE LOVE



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Hunting High and Low - a-ha



人生で初めて買ったCDがa-haの『Hunting High and Low』とトップガンのサントラCD。2枚しか持っていないのだから、毎日毎日擦り切れるまで聴いたものだ。あれから25年以上経つが、名曲『Take on Me』から始まるキャッチ&ポップを具現化したような曲がずらっと並ぶこのアルバムは、何一つ色褪せること無く私の心を満たしてくれる。『Take on Me』のプロモーション・ビデオは、実車とアニメが混ざり合っった斬新な映像で、楽曲自体がそもそも持つ良質なメロディーも手伝って、MTVで流れまくり全世界で大ヒットを記録した。と言っても、当時の私は片田舎に住んでおりこのプロモーション・ビデオを見たのは、発売から15年くらい後。しかし、ドラムから始まるイントロを聴いただけですぐに気づき、食い入るように見たのを思い出す。

 iTunes Store(Japan)一発屋のイメージがあるかもしれないa-haだが、イギリスではヒットを量産。91年にリオ・デ・ジャネイロで開催されたイベントでは、19万5000人の観客を動員し、ギネスブックに掲載されるなど、その人気は高かった。2006年も再びUKチャートトップ10入りするなど、長きに渡り活躍したが2010年に出身地であるノルウェーのオスロでのコンサートを最後に解散した。(SS)


Hunting High and Low - a-ha
製作: 1985年
1. Take On Me
2. Train Of Thought
3. Hunting High And Low
4. The Blue Sky
5. Living A Boy's Adventure Tale
6. The Sun Always Shines On T.V.
7. And You Tell Me
8. Love Is Reason
9. I Dream Myself Alive
10. Here I Stand And Face The Rain

ジャッカル / The Jackal



名作『ジャッカルの日』を大胆にリメイクした作品。ブルース・ウィルス演じる謎の殺し屋ジャッカルと、リチャード・ギア演じるIRAテロリスト、デクランの闘いを描く。ロシアンマフィアのボスの弟がFBIとロシアの共同捜査中に死亡した。激怒したボスは米国への復讐を誓い、20年以上の間その姿さえ見られていないという謎の殺し屋、ジャッカルを雇い米国要人の暗殺を依頼した。一方、ロシアンマフィアがジャッカルを雇ったという情報を得たFBIだが、彼に関する手がかりは一切無い。そこで唯一ジャッカルを知る人間である元IRAで服役囚のデクランに協力を要請した…。

画面に登場するたびに変装してガラっと違う雰囲気で登場するジャッカル役のブルース・ウィルスがなかなか良い演技。一方、ライバル役のリチャード・ギアだが、登場したその瞬間から空気がチャラくなる。嫌いな訳ではないのだが、どう見ても元IRAのテロリストには見えない。それを分かってか否か、彼の吐くチャラい台詞が時折鼻を突く。なので、ストーリーはそれなりにシリアスなのにも関わらず、少々ユルい感じもある。ラストは良くあるオトボケものだが、そんな理由からか特に気にならない。(SS)


製作: 1998年 アメリカ 125分
監督: マイケル・ケイトン・ジョーンズ / Michael Caton JONES
製作: 
出演: ブルース・ウィルス / Bruce WILLIS, リチャード・ギア / Richard GERE
ジャンル: サスペンス, アクション, クライム
鑑賞方法: 映画館, DVD


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Monday, July 9, 2012

チェーン・リアクション / Chain Reaction



キアヌ・リーブス主演のアクション作。既存のエネルギー地図を塗り替える画期的な新エネルギーを巡る既得権益の代表者たる巨悪の面々と若きエンジニアの闘いを描く。シカゴ大学のエンジニアであるエディは、バークレー博士の率いるチームのメンバーとして水から大量のエネルギーを産み出す革命的な新エネルギー発生装置を開発していた。実験は失敗を重ねていたが、エディが偶然に発見した周波数を実験に適用することで、エネルギー発生装置は遂に完成。しかし、実験成功の打ち上げパーティの後に同僚を送って研究所に戻った彼はそこで殺害された博士を発見、しかも研究所は核爆発級の破壊により木っ端微塵となってしまう。FBIに犯人と疑われたエディーは真犯人を探すべく逃亡を決意する。

冒頭の爆発シーン。あれだけの爆発をミニバン1台と数人の工作員だけでは起こせないと思うが、それにしても凄い爆破。尋常じゃない火薬量だったろうと思う。そこから、エディーの逃亡と真犯人の追求が始まり、アクションや謎解きがありつつ、段々と事実がわかってくるFBIが絡んでくる。という展開は、監督が名作『逃亡者』の監督だけに色合いが似てくるのはしょうがないのだろうが、謎を解く面白さが不足している。かと言ってアクションも中途半端。演じる俳優陣、特にモーガン・フリーマンの渋い演技などが秀逸なだけに脚本が残念。(SS)


製作: 1996年 アメリカ 107分
監督: アンドリュー・デイヴィス / Andrew DAVIS
製作: 
出演: キアヌ・リーブス / Keanu REEVES, モーガン・フリーマン / Morgan FREEMAN, レイチェル・ワイズ / Rachel WEISZ
ジャンル: サスペンス, アクション
鑑賞方法: The CINEMA


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Saturday, July 7, 2012

L.A.コンフィデンシャル (映画) / L.A. Cenfidentioal (film)



1950年代のロスを舞台にした、巨悪に立ち向かう若き刑事達の闘いを描く。警察署内ででの飲酒と暴行騒ぎにより免職処分となった一人の刑事が、6人の男女が惨殺された猟奇事件に巻き込まれ死亡。元相棒のラッセル・クロウ演じるバドは捜査を開始。殺された女と一緒に居たブロンドのリン(キム・ベイシンガー)に接触する。彼女はハリウッド女優に似た女を集めた高級娼婦クラブの女だった。一方、野心家の若手刑事エド(ガイ・ピアース)は警察署内の暴行騒ぎで証言台に立つ代わりに念願の刑事局へ移動となったが、仲間を売った代償として周囲から冷たい扱いを受ける。しかし、ベテラン刑事のジャック(ケヴィン・スペイシー)と共に3人の容疑者の逮捕に成功し事件は一見解決へと向かうが、バドのふとした疑問から事件の裏に隠された大きな陰謀が次第に表面化する。

バドを演じるラッセル・クロウが素晴らしい。怒りの表情は本当に人を殺してしまいそうな勢いだし、好きな女とイチャつく時は砕けた表情になる。しかし本作に出演する俳優陣はそのラッセル・クロウに負けず劣らず。若く出世欲の強い刑事を演じるガイ・ピアース、妖艶な雰囲気が如何にもといったキム・ベイシンガー。そして、ユージュアル・サスペクツやセブンで既に魅せられていたが、本作でもケヴィン・スペイシーの演技力は健在。

正義に対する価値が全く異なる3人の刑事が一つの事件に対して様々な方面から捜査を行い、登場人物や関連する組織が多くストーリーは少々複雑ではあるが、一見バラバラに見える各々の要素がラストに向かうにつれて一つに帰結する脚本はアカデミー賞に相応しい。(SS)


製作: 1998年 アメリカ 138分
監督: カーティス・リー・ハンソン Curtis Lee Hanson
製作: 
出演: ラッセル・クロウ / Russell CROWE, ガイ・ピアース / Guy PEARCE, ケヴィン・スペイシー / Kevin SPACY, 
ジャンル: クライム
鑑賞方法: DVD, IMAGICA BS


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Friday, July 6, 2012

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 (映画) / The Girl Who Kicked the Hornet's Nest (film)

★☆

『ミレニアム』の第3部にして完結編。前作で父親であり宿敵であるザラとの闘いで、脳に被弾、生き埋めにまでされ、危うく死の淵まで追いやられたリスベットだが、ミカエルによって発見され一命は取り留めた。しかし、彼女は動くことも出来ず、厳重監視の病室へと隔離されてしまう。一方、元ソ連の上級スパイだったザラを利用して悪事に手を染めてきた『班』と呼ばれる謎の組織と、幼いリスベットの人生を狂わせた精神科医のペーテル・テレボリアンは共謀して、リスベットを闇に葬るための作戦を開始する。対するミカエルは、弁護士である妹のアニカ、リスベットが調査員として働いていた警備会社社長のドラガン・アルマンスキー、そして『班』を徹底調査するよう首相に命じられた公安警察と協働し『班』に立ち向かう。しかし、『班』の狙いはリスベットのみならず、ミカエル、そしてミレニアムの編集員までをも巻き込んでいく。そして舞台は法廷での全面対決となる…。

前回の第2部のレビューで各々が独立したエピソードと評したが、この第3部は第2部と完全に一体となったエピソード。本国で公開された際も、この2作品は時を経ずに立て続けに公開されたのもこの理由だろう。前作で感じたモヤモヤ感も裁判へと至る過程と裁判そのものでスッキリした。聡明で脅威的な記憶力を持つリスベットの活躍は少々なりを潜めているが、ラストでの天才的な行動力は相変わらず観ていて爽快感を感じた。余談だが、出ている俳優陣はもう少し若いのを起用できなかったのだろうか。下世話な言い方だが、出演している俳優がそこら辺のおじさん・おばさんのような人が多く、画に少し元気が無いと感じたのは私だけではあるまい。

本シリーズの優れているところは、謎解きの展開を一貫してテンポよく見せているところだ。基本的に調査や事件の展開が時系列で流れるため、民放2時間ドラマで良くある、最後に荒波押し寄せる絶壁の崖で犯人が独白する新事実的なものも無く、観ている者が入りやすい。それが故にどんでん返し的な要素も無いのだが、それを補って有り余る原作者の筆力と、それを映像にした2人の監督の手腕。リスベット役を演じたノオミ・ラパスの演技力が素晴らしい。また、違法な手法で得た証拠がその場で有効なのかどうかはさておき、『班』との最終対決の舞台は裁判所で、法に則り悪事を裁くラストもハリウッドにありがちな『目には目を』とは一味違うものだ。現状では陽の目を見ることが無いであろう本シリーズの残りを猛烈に観たくなった。(SS)


原題: Luftslottet Som Sprangdes / The Girl Who Kicked the Hornet's Nest
製作: 2010年 スウェーデン, ドイツ, デンマーク 148分
監督: ダニエル・アルフレッドソン / Daniel ALFREDOSON
製作: ソーレン・スタルモス / Sren STRMOSE
出演: ミカエル・ニクヴィスト /Michael NYQVIST, ノオミ・ラパス / Noomi RAPACE
ジャンル: サスペンス, ミステリー, 法廷
鑑賞方法: IMAGICA BS


  

"GIGS" Just a Hero Tour 1986 - BOOWY



1986年発売のBOOWY初のライブアルバム。同年リリースの4枚目のオリジナル・アルバム『Just a Hero』を受けてのライブツアーにおけるBOOWY初の日本武道館ライブを収録したアルバム。Wikipediaによると日本武道館からの音源は4曲のみで、それ以外は他の会場からの音源で、さらに多くの曲でシンセサイザーの音がオーバーダビングされているようだが、これらは本作の質を落とすものではないだろう。

私が初めて聴いたBOOWYはこのGIGS。87年だったと記憶するが、まだ中学生で音楽を聴き始めた頃に、友だちからテープにダビングしてもらったものだ。そういえば、当時使っていたテープはマクセルのUDII。金ピカシールが貼ってあるハイポジテープで一本500円弱ほど。今考えると結構いい値段。ちなみに、世代的にはレコードとCDの境目くらいのだが、レコードを買った事は無く、当然アナログプレーヤーを所有したこともない。そういう意味では私はデジタル世代の1期生くらいと言えるか。

 iTunes Music Store(Japan)話をGIGSに戻すが、初めて聴いた時に『嫌いな歌が入ってないな』、というのが素直な印象だった。キャッチだがリズムはロックで、とにかく全ての歌が耳に良い。歌謡ロックとは良く言い当てた表現だ (個人的には好きじゃないけど)。ライブ盤という事で、スタジオで収録したアルバムとはまた違う、ライブ特有のアップテンポなスピード感も良かった。PrologueからBad Feelingへのオープニング、Rouge of Gray 〜 Baby Actionまでのツアータイトルアルバムからのチューン。バラード後にライブではお約束のDreamin, Image Down, No. New York。そしてアルバムタイル曲によるエピローグ。とにかくどこで切ってもBOOWYを堪能できる。この後、Case of BOOWYやLast GIGSなど様々なライブ盤が出たが、本作がBOOWYのライブ盤における最高傑作と確信する。(SS)


”GIGS”Just a Hero Tour 1986 - BOOWY
発売: 1986年
収録曲:
1. Prologue
2. Bad Feeling
3. Rouge of Gray
4. Blue Vacation
5. Justy
6. Baby Action
7. ホンキー・トンキー・クレイジー8. わがままジュリエット
9. Dreamin
10. Image Down
11. No. New York
12. Just a Hero


 iTunes Store(Japan)  iTunes Store(Japan)

Thursday, July 5, 2012

ミレニアム 2 火と戯れる女 (映画) / The Girl Who Played with Fire (film)



スティーグ・ラーソンの『ミレニアム』3部作の第2部。第1部に引き続きミカエルとリスベットを主人公とした謎解きの展開だが、2人の行動は交わらずパラレルで進行するのが第1部とは大きく異なる。

ヴァンゲル家の失踪事件解決から1年。『ミレニアム』へ復帰したミカエルは、リスベットと連絡が取れないままでいた。そんな中、東欧と政府および警察を震源とした少女売春組織の実態を暴く記事をミレニアムに持ち込んだ若い記者2人が、原稿入稿直前に殺されてしまう。殺害現場にはリスベットと彼女の後見人の指紋が付いた拳銃が残されており、さらに、この後見人も死体で発見されたことから、リスベットは3人を殺した殺人容疑者として警察に追われる身になってしまう。突然、殺人容疑者とされたリスベットは誰にも頼らず事件の真相を追う。一方、ミカエルもリスベットの無実を信じて独自の調査を開始する。そんな中『ザラ』と呼ばれる男が2人の調査線上に浮上してきた…。

シリーズ物の中だるみという訳ではないだろうが、欧州映画にありがちな冗長な展開が少々残念。ミカエルとリスベットという主人公のみならず、1部から3部までのストーリーを横断する深いテーマや謎があるのかと思ったが、少なくともここまでの2作品鑑賞終了時点では、各々がほぼ独立したストーリーで自己完結しているようだ。完結編である3部への目立った布石も無く、そういう観点で改めて考えるとラストの展開はフォローが足りずモヤモヤ感が残る。それこそが3部への布石と言われればそれまでだが。(SS)

追伸: 第3部まで観終わった時点で第2部と第3部は完全に一体の作品であることが分かった。もちろん、第1部も関連する布石があるが、ほぼ独立したエピソードだ。



原題: Flickan Som Lekte Med Elden / The Girl Who Played with Fire
製作: 2010年 スウェーデン, ドイツ, デンマーク 130分
監督: ダニエル・アルフレッドソン / Daniel ALFREDOSON
製作: ソーレン・スタルモス / Sren STRMOSE
出演: ミカエル・ニクヴィスト /Michael NYQVIST, ノオミ・ラパス / Noomi RAPACE
ジャンル: R15+, サスペンス, ミステリー
鑑賞方法: IMAGICA BS



  

Wednesday, July 4, 2012

疑惑 / Suspicion



松本清張原作の同名小説を作者自身が脚色し映画化した作品。富山新港へ転落した一組の夫婦を乗せた車。夫は溺死したがその妻である鬼塚球磨子は車から無事脱出し幸いにも無傷で救出された。しかし、警察の調べでは地元の高名な資産家の息子でもある夫に3億円の保険金がかけられている事が判明。更に球磨子は前科4犯の元犯罪者だった。球磨子人を喰ったような態度もあり、地元新聞は大々的な球磨子のネガティブキャンペーンを展開。世の中の誰もが球磨子の有罪を信じて疑わない状況で、国選弁護人すら次々と辞退する中、佐原律子弁護士が球磨子の弁護人に選ばれた。しかし、球磨子の態度は決して協力的であるとは言えず、時には法廷内で激昂し、ことあるごとに佐原を悩ませる。

本作を初めて観たのは恐らく小学生か中学生の時だったか。佐原弁護士役の岩下志麻の演技もさることながら、典型的な悪女の球磨子を最後の1秒まで完璧に演じきった桃井かおりの不敵な笑みが今でも記憶に残っている。検事の小林稔侍や新聞記者の柄本明、情夫の鹿賀丈史などの俳優陣も素晴らしい演技で魅せるが、岩下志麻と冷静な演技と桃井かおりの強烈なキャラクターの前では脇役にならざるを得まい。最後にグラスを傾けながら二人が交える女の勝負は見所の一つ。(SS)


製作: 1982年 日本 127分
監督: 野村芳太郎 / Yoshitarou NOMURA
製作: 
出演: 岩下志麻 / Shima IWASHITA, 桃井かおり / Kaori MOMOI, 仲谷昇 / Noboru NAKAYA, 鹿賀丈史 / Takeshi KAGA, 真野響子 / Kyoko MANO, 森田健作 / Kensaku MORITA, 小林稔侍 / Nenji KOBAYASHI, 丹波哲郎 / Tetsuro TANBA
ジャンル: ドラマ, サスペンス, 法廷
鑑賞方法: DVD


  

ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 (映画) / Millennium - The Girl with the Dragon Tatoo (film)



スウェーデンの作家、故スティーグ・ラーソンのデビュー作かつ絶筆作であるミレニアムは『ドラゴン・タトゥーの女』『火と戯れる女』『眠れる女と狂卓の騎士』からなる三部作である。Wikipediaによると第5部まで構想があったようだが、作者の急逝により、残りの出版はその目処が立っていない模様。本作はシリーズ第1部である『ドラゴン・タトゥーの女』を原作とした作品。なお、ダニエル・クレイグ主演のハリウッドリメイク版ではなく、スウェーデンで2009年に発表されたオリジナル版である。

スウェーデンの実業家ヴァンネルストレムの名誉毀損裁判。被告は左翼系雑誌『ミレニアム』発行者のミカエル。ミカエルはヴァンネルストレムの不正は事実だと確信しているが裁判の結果は有罪であった。一方、そのミカエルの身辺調査をする女調査員がいた。依頼者は大企業の前会長ヘンリック・ヴァンゲル。調査員は背中にドラゴンのタトゥーを入れた女、リスベット・サランデル。身辺調査結果からミカエルを信に値すると判断したヴァンゲルは36年前に突如失踪した玄孫のハリエット・ヴァンゲルの事件調査をミカエルに依頼する。しかし、事件発生から既に長い時が経っており、調査はミカエルの予想通り困難を極めた。ところが1通のEメールが調査を急転させる。そのメールの発信者は『スズメバチ』と名乗った…。

153分と物理的に長い作品だが見終わって感覚的な長さは感じない。むしろ、詳細不明のまま残された様々なファクターにより、もっと観たいという欲求さえ感じる。とにかく謎解きの面白さが素直に表現されていて心地良い。よくあるトリック自体が複雑難解で考えすぎて面白くない、という訳ではないから、観ているこちらも一緒に考える事ができる。R15+というから猟奇的シーンが散発するのかと思ったが、最大の理由は観ていて嫌悪感さえ覚えるレイプシーンだろう。ここまでの表現が必要だったのかと思うが、原題は『女を憎む男』であり、原作者の意図を汲んだのだとも感じる。

少女失踪事件の調査というテーマとしては暗く、どんよりした冬のスウェーデンの映像が多いが、適度なスピード感、天才的な活躍をみせるリスベット、テンポの良い謎解きの展開が、観ている者にむしろ軽快感さえ与える。特にリスベットに関してはその役の設定や背景、演じる俳優のノオミ・ラパスも素晴らしく釘付けになる。惜しむらくは何故か調査の最終段階のみを端折っているために尻すぼみになっている事だが、ハリウッド以外で久しぶりに観たサスペンスの秀作であることに疑いの余地はない。(SS)


原題: Man Som Hatar Kvinnor / (Men Who Hate Women)
製作: 2009年 スウェーデン, ドイツ, デンマーク 153分
監督: ニールス・アルデン・オプレヴ / Niels Arden OPLEV
製作: ソーレン・スタルモス / Sren STRMOSE
出演: ミカエル・ニクヴィスト /Michael NYQVIST, ノオミ・ラパス / Noomi RAPACE
ジャンル: R15+, サスペンス, ミステリー
鑑賞方法: IMAGICA BS



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Tuesday, July 3, 2012

ヴィクトリア女王 世紀の愛 / The Young Victoria



19世紀初頭から20世紀半ばにかけてその繁栄を築き『日の沈まぬ国』と言われた大英帝国。ヴィクトリア湖、ヴィクトリア滝、ヴィクトリア湾…。本作は世界中にその名を残す、イギリス王室歴代最長在位期間となる64年弱に渡り君臨したヴィクトリア女王の若き日の物語。

ストーリーは特に山場がある訳でもなく、感動・涙・驚きといいた類のものは少ない。史実に沿いフィクションを抑えた結果だろうか。時間的にも短めの作品で、歴史の細かい説明は最後にテロップでさらっと流しており、タイトルからするといかにも重厚そうなテーマだが見終わった印象は軽い。

それにしても『世紀の愛』という日本語副題、誰が考えたか知らないが必要かな。山あり谷あり困難を乗り越えて掴んだ愛、という訳でもあるまいし。(SS)


製作: 2009年 イギリス, アメリカ 102分
監督: ジャン・マルク・ヴァレ / Jean-Marc VALLEE
製作: 
出演: エミリー・ブラント / Emily BLUNT, ルパート・フレンド / Rupert FRIEND
ジャンル: ヒストリー, ロマンス
鑑賞方法: IMAGICA BS


  

ブレードランナー / Blade Runner



良く聞くが何故か見たことが無い映画。結構あると思うが私にとってブレードランナーはその一つ。調べるとバージョン違いや監督自身による再編集版など、公式には3バージョン有るとのこと。本作は発表から10年後の92年にリドリー・スコット自身が再編集した『完全版』なる作品。舞台は2019年。脱走した人造人間4体の捕獲を依頼されたブレードランナーことデッカードの追跡劇を描く。

近未来都市の映像は当時としては斬新な未来の都市像なのだろう。2012年に住む私が観ると、むしろ今から20年ほど前の都市の混沌とした映像とも取れ、日本風というかオリエンタルな背景や音楽がこれを更に助長する。ストーリーとしては至極単純なものなので、映像で勝負したのだろうが、全体的に暗く見終わった後どんよりした。夜見ると更にどんよりだろうな。

本作の出来とは関係ないが、1982年の公開から25年経った2007年にファイナル・カット版なる作品がリリースされた。監督の『これこそが本当にやりたかった事』も2回で限界かと思うが、3回目ともなるとそろそろ良いのではと思う。最初にやりたい事をやるのが本当だろうと。(SS)


製作: オリジナル: 1982年 アメリカ, 117分, 最終版: 1992年, 116分, ファイナルカット: 2007年, 117分
監督: リドリー・スコット / Ridley SCOTT
製作: 
出演: ハリソン・フォード / Harrison FORD
ジャンル: SF, アクション
鑑賞方法: IMAGICA BS


  

Monday, July 2, 2012

コマンドー / Commando

★☆

ターミネーターに続き、シュワルツネッガー主演作品では人気度上位にあると思われる初期の代表的作品。何度も見たが何度観ても飽きない。それどころか、どこから観ても結局最後まで観てしまう。

ストーリーは、娘を誘拐されたシュワルツネッガー演じるメイトリックスが、ジェット機内で手荷物の大男を死ぬほど疲れさせた後に、ノーパラシュートで沼地へダイブし、車のシートを壊して、デパートで電話ボックスを投げる。呆れた女に何だかんだと聞かれても一言『No』と答え、ポルシェを横転させ、人を放し、モーテルでは朝飯前とばかりに大暴れ。アイツには必要ないと言って勝手に車を拝借し、軍用品店を破壊した上に大量の品を窃盗。ロケットランチャーで街とパトカーを破壊、水上機をパンチで蘇らせた後に、建物外部に仕掛けた爆弾で内部から爆破させるという高等テクニックを見せ、顔芸が得意の最後のライバルと死闘の末、無事娘を救出するというもの。一人第三次世界大戦とはこの事か。ストーリのネタバレをしてしまい本当に申し訳ないのだが、見終わると気付くだろう。そんなのどうでも良いって事に。つまり本作はシュワルツネッガーの筋肉と暴れっぷりを脳天気に楽しむ作品だ。

薄っぺらいストーリーが故に評価は別れるところだろうが、個人的には一押し作品の一つ。細かいことを考えだすとこの映画のストーリーはすぐ破錠する。なので、ストレスが溜まってスカッとしたい時、何もする事がない平日の昼下がりなど、小難しい事を考えずに映画を楽しむには最高の作品。そういえばAmazonのレビューで40人以上のレビューワ全員が5つ星なのは何かの策略か?(SS)


製作: 1986年 アメリカ 89分
監督: マーク・L・レスター / Marc L LESTER
製作: 
出演: アーノルド・シュワルツェネッガー / Arnold SCHWARZENEGGER
ジャンル: アクション
鑑賞方法: TV, DVD, The CINEMA, etc.


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