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Thursday, October 25, 2012

マルサの女 / A Taxing Woman



本作は当時の日本の世の中に『マルサ (国税局査察部) 』という言葉とその職業を広めることになった、金字塔的な邦画娯楽作。宮本信子演じるソバカスでシングルマザーのマルサがアクの強いラブホテル経営者の脱税を地道な調査で内偵し摘発するまでを描く。

地域税務署の調査官から国税局査察部へと抜擢された板倉亮子は、偶然見かけた高級車からあるラブホテルに脱税の匂いを嗅ぎ取った。しかし、調査を進めるもオーナーの権堂はなかなか尻尾を出さない。それでお、板倉の地道な内偵は続く。権堂の家から出されるゴミを調べ、出入りの業者の対面調査を行い、ヤクザの事務所を訪ねる。徹底的に調べて証拠を積み上げ、ついに権堂をガサ入れする日がきた…。

『お葬式』や『タンポポ』といった、ほのぼの路線からうって変わり、本作では税務官という社会派テーマについて取り上げた伊丹十三の3作目は、映画史に残る名作となった。冒頭の老人が乳を吸うシーンは掴みとしては半ば反則だが、これまでもこれからも作品にエロスを入れ込む、伊丹十三の好きな手法といえばそれまでか。作中のガサ入れシーンや金品の隠し場所などは、実際にあったケースをモチーフにして描かれており、リアリティも抜群。脱税の巧妙な手口とそれに対峙するマルサの捜査官との丁々発止のやり取りは、適度なスピード感を保ちつつ観る者を飽きさせない。一点難を言えば、出演者がいわゆる『伊丹組』のメンバーなので画的に飽きてくる。(SS)



製作: 1987年 日本 127分
監督: 伊丹十三 / Juzo ITAMI
製作: 
出演: 宮本信子 / Nobuko MIYAMOTO, 山崎努 / Tsutomu YAMAZAKI, 津川雅彦 / Masahiko TSUGAWA, 大地康雄 / Yasuo DAICHI, 桜金造 / Kinzo SAKURA, 室田日出男 / Hideo MURATA, 絵沢萠子 / Moeko EZAWA, 小林桂樹 / Keiju KOBAYASHI, 松居一代 / Kazuyo MATSUI, 伊東四朗 / Shiro ITO
ジャンル: ドラマ, サスペンス, クライム
鑑賞方法: DVD

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