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Wednesday, November 14, 2012

難波金融伝ミナミの帝王 #26 劇場版XI 追憶 / The King of Minami #26



1998年製作のシリーズ第26作目は久々の劇場版第11弾。取り巻きはもはや固定感の強いいつもの拓也、麻子&涼子。本家の漫画が100巻を超えてかつ現在も連載中なのだが、それにしてもネタがよく尽きないものだ。日テレの名作刑事ドラマ『太陽に吠えろ』で『長さん』として一躍名を馳せた故下川辰平が定年間近の桜井刑事兼債務者として出演している。シリーズをとおして名俳優と呼ばれる役者が幾人か出演しているが、この下川辰平もその一人だろう。本シリーズでは吉本松竹芸人の出演が多く、お世辞にも上手いとは言えない彼らの演技 ―もちろん、それはそれで好きなのだが― に自分自身がすっかり慣れてしまっていたが、下川辰平が魅せる老刑事のいぶし銀っぷりはまるで画面から滲み出るようで素晴らしい。

今回はその下川辰平が演じる桜井刑事を中心として展開する。定年まであと1ヶ月を迎えた桜井刑事は警視総監賞を12回も受賞した名刑事。しかし、定年までにどうしても解決しなければならないヤマがあった。それは15年前におきた殺人事件だった。桜井は時効まであと1ヶ月のこのヤマを追うために、退職金を前借りした挙句に銀ちゃんから300万の借金をしている。しかし、迷宮入りを目前にしたこの事件の唯一の手掛かりである目撃者の女をどうしても見つけ出せずに居た…。

桜井の部下と桜井の娘のあやことのサブストーリー。その娘の重大な決断。そして、15年前におきた時効間近の殺人事件について、桜井からその背景について銀ちゃんに語られるシーンはシリーズで一二を争うお涙頂戴話。鬼の萬田も流石に桜井にホダされたのか否か、それとも貸した銭の回収のためか、沢木組長に協力を求め事件の唯一の手掛かりである目撃者の女の調査を始める。と、そこまでは良いのだが、警視総監賞を12回も取った刑事が私財を投げ打ち、15年も費やすも全く得られなかった手掛かりが、極道ネットワークを使った途端にあっさりと見つかっちまう、というのは少々安易な展開と言わざるを得ないかなと。しかし、最後のどんでん返しと堕ちた女達の小ネタをきっちり回収した後に続くハッピーエンドに免じて目をつむろう。

ここ数作で『がに股でソファーにどっかり座り、タバコふかしながらしかめっ面』という銀ちゃんが定番のポーズになってきた。それにしても前回にも増して銀ちゃんのスーツが凄すぎる。実際に売ってるんだろうが、こんなん銀ちゃん以外に一体誰が着るんや。(SS)


製作: 1998年 日本 88分
監督: 萩庭貞明 / Sadaaki HAGINIWA
製作: 
出演: 竹内力 / Riki TAKEUCHI, 古本新乃輔 / Shinnosuke FIURUMOTO, 竹井みどり / Midori TAKEI, いしのようこ / Yoko ISHINO, 結城哲也 / Tetsuya YUKI, 天田益男 / Masuo AMADA, 宇野ポテト / Potato UNO, 下川辰平 / Tappei SHIMOKAWA, 井上茂 / Shigeru INOUE, 草薙良一 / Ryouichi KUSANAGI
ジャンル: ドラマ
鑑賞方法: DVD

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