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Thursday, June 21, 2012

不毛地帯 (1/4)



小説『不毛地帯』を原作とした唐沢寿明主演のTVドラマ。本作はフジテレビ製作の全19話からなる長編作品。舞台は終戦後から高度成長期にかけての日本。陸軍士官学校および大学校を経て大本営参謀とエリート軍人の道を歩いた主人公の壹岐(いき)。11年という長く苦しいシベリア抑留を経て再び祖国の地を踏んだ壹岐は総合商社に入社し、戦闘機・鉄鋼・自動車・エネルギーという経済戦争を舞台に再び世界で闘う。

戦後高度成長期の商社マンを主人公としたストーリーは、非常に重厚で熱く、笑いもジョークも無い硬派なドラマ。演じる俳優陣もストーリーに負けない熱い演技で魅せる。だいぶ前になるが、唐沢寿明の舞台をテレビで観たことがある。演目は失念したがその演技の迫力に驚き、舞台に全く興味の無い私が釘付けになったのを覚えている。本作においても原田芳雄、岸部一徳など並み居るベテラン俳優陣に決して劣らない、圧倒的な演技力を見せている。なお、同じく舞台出身者の阿部サダヲも出演しているがこちらはどうだろう。とにかく大袈裟過ぎる演技とこれまた演技じみた小股走りが目に痛い。

ところで『これは架空の物語である。過去、あるいは現在においてたまたま実在する人物、団体、出来事と類似していてもそれは偶然にすぎない』という冒頭の一文が非常にシラける。文自体もおかしいが、似せた名を付けながら偶然と言い張るとは最近の中国のコピー商品のようだ。五菱商事は三菱商事、丸藤商事は丸紅商事など誰でも分かるし、カプシ・コーラやラッキードなどもはや『おフザケ』の領域。また、フィクションを加えているものの、壹岐のモデルは実在する人物であることはよもや周知の事実であり、開口一番の一文がむしろ重厚さを削ぎ落としているのが残念。(SS)



終戦 〜 シベリア抑留 〜 次期国防戦闘機選定 編
 第1話 物語
 第2話 黒い頭脳戦
 第3話 妻と娘の涙
 第4話 俺が殺した





★★★ マイナス40℃の凍てつくシベリアの大地はまさに『不毛地帯』と呼ぶに相応しい。そしてここから本作のストーリーが始まる。11年の長きに渡るシベリア強制労働の後に帰国。その後の2年を他の帰還者の就職支援と静養に当てていた壹岐だが、近畿商事社長の大門の再三の要請により同社へ再就職を決める。軍人経験しか無い壹岐は当初戸惑うものの、岸部一徳演じる東京支社長の里井のもと、次期国防戦闘機選定交渉の担当に配置されてからは水を得た魚のように活躍を見せる。しかし、ライバルである東京商事の鮫島は政治家への働きかけやマスコミ・情報リークに賄賂に女と、ありとあらゆる手を尽くして近畿商事を攻め上げ、泥沼の次期戦闘機争奪戦が繰り広げられる。

冒頭から戦闘機選定に至るまで4作で計200分近くあるが、それを感じさせないスピード感。シベリア抑留のシーンは重く辛いものだが、回想シーンなど幾つかに分割されて配置しており、テレビらしい飽きさせない工夫が見やすい。里井と遠藤憲一演じる東京商事の鮫島が長く続く壹岐の闘いのライバルである。(SS)


製作: 2009年 日本
監督: 
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出演: 唐沢寿明 / Toshiaki KARASAWA, 和久井映見 / Emi WAKUI, 遠藤憲一 / Kenichi ENDO, 岸部一徳 / Ittoku KISHIBE, 原田芳雄 / Yoshio HARADA, 竹野内豊 / Yutaka TAKENOUCHI, 橋爪功 / Isao HASHIZUMEニコラス・ペタス / Nicholas PETTAS, 中原丈雄 / Takeo NAKAHARA, 多部未華子 / Mikako TABE, 斎藤工 / Takumi SAITO, 柳葉敏郎 / Toshirou YANAGIBA, 段田安則 / Yasunori DANDA, 佐々木蔵之介 / Kuranosuke SASAKI, 小雪 / Koyuki, 伊東四朗 / Shirou ITOH, 江守徹 / Toru EMORI, 阿部サダヲ / Sadao ABE, 天海祐希 / Yuki AMAMI, 石橋蓮司 / Renji ISHIBASHI, 品川徹 / Toru SHINAGAWA, 松重豊 / Yutaka MATSUSHIGE
ジャンル: TV, サスペンス
鑑賞方法: DVD



 

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