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Tuesday, July 10, 2012

告白 (映画) / Confessions (film)



湊かなえのデビュー作にして発売年度の『週刊文春ミステリーベスト10第1位』『本屋大賞』などを受賞した同名のベストセラーを映画化した復讐サスペンス。

一人娘を事故で失った中学校の女性教師、森口悠子は終業式のホームルームで生徒にある事を告げた。一人娘の死は事故死ではなく殺されたのだと。森口は犯人である少年Aと少年Bを指し示し、娘が死に至るまでの顛末を静かに語りはじめた。そして、少年法によって守られた二人の罪の償いは警察に委ねず、代わりに彼らに恐ろしい復讐を仕掛けたと…。

森口の復讐劇が森口本人、少年AとB、その母親やクラスメイトと事件に関わる人間達の視点から語られる。原作の第1章『聖職者』が全章中、最も秀逸な内容であるのと同様に、本作も冒頭の30分を費やして緊迫感のある映像に仕上げているが、以降の各人の告白も相当な完成度だ。また、松たか子や木村佳乃の演技も素晴らしいのだが、少年Aを演じる西井幸人の真っ直ぐな演技が素晴らしく、少年Aが抱える心の闇と屈折した心の情景を見事に表現している。

ダン・ブラウンやトマス・ハリスなど、映画とその原作の両方を見た作品においては、概ね原作の方が素晴らしく、映像化するとどうしても端折ってしまう部分などがあって幻滅するものだ。本作のラストシーンは原作と異なり映画らしい纏め方で、個人的にはあまり好きではないが、全体としては原作の完成度に負けない作品となっている。そして原作同様、見終わった後の胸糞の悪さも相当なものだ。(SS)


製作: 2010年 日本 106分
監督: 中島哲也 / Tetsuya NAKAJIMA
製作: 
出演: 松たか子 / Takako MATSU, 西井幸人 / Yukito NISHII, 木村佳乃 / Yoshino KIMURA, 岡田将生 / Masaki OKADA, 藤原薫 / Kaoru FUJIWARA, 橋本愛 / Ai HASHIMOTO
ジャンル: R15+, サスペンス
鑑賞方法: DVD


 

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