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Thursday, January 10, 2013

難波金融伝ミナミの帝王 #41 闇の裁き / The King of Minami #41



シリーズ第41作目。シリーズ開始から10年が経ち銀次郎の顔にも流れた年月が現れてきたと同時に少々肥えて迫力が出てきたなぁ〜と感じるジャケット写真。公平に翔子、沢木の親分と広瀬はんはいつも通り。今回の悪党役には関西芸人界の大御所オール巨人が起用されており、饒舌な語りと舞台慣れしたユルイ演技だが、その他の出演者が面白い。別に狙ってキャスティングした訳ではないだろうが、一時TVに出まくっていた関西芸人のぜんじろう、好色一代女でレコード大賞を受賞した内田明理、更にはピンクレディーの増田惠子と、その時代を風靡した『あの人は今タレント』が多く出演している。

本作は違法金利で暴利を貪る金融業者に対して『過払い金返還請求訴訟』やら『民法378条の滌除(てきじょ)』やらと、法律を武器に正義の味方を装いつつ、裏で悪徳金融業者と手を結んで債務者を丸裸にする悪徳弁護士が敵役。『過払い金返還請求』はシリーズ前作でも出てきたが、日本語として聞きなれない『滌除』とは簡単に言えば不動産の所有者によって抵当権者が望む望まざるに関わらず、抵当権が抹消されてしまうという制度。

民法により抵当権が設定されている不動産の第三取得者である所有者は滌除を行使する権利を有しており、所有者は抵当権者の意思にかかわらずその抵当権を抹消する権利がある。しかも滌除行使のための提供金額は、抵当権者の債務額に関わらず、所有者が自ら任意に決められる上に、提供額が第一順位抵当権者の債権額より少ない場合は、第二順位以降の抵当権者の取り分はゼロで第一順位者が総取りするという凄い制度。なお、2003年の法改正で『抵当権消滅請求制度』となり、滌除制度自体は消滅した。と、ここまで書いて何だが詳しくはWEBで調べられたし。で、この悪徳弁護士の滌除の行使に対する銀ちゃんの対抗手段は民放384条による滌除の拒否『増加競売』と債務者の『自己破産制度』を利用した鮮やかな逆転劇。

銀次郎の逆転劇はここ数作の流れらしく、派手さはないが品がある鮮やかな切り取りで一見の価値有り。ちなみにこの『滌除』だが『ナニワ金融道』に取り上げられて一時有名になった制度らしく、『ミナミの帝王 』との確執はこの辺が発端か。そろそろブラバスチューンSL以外の銀次郎の愛車が観たい。(SS)


製作: 2001年 日本 84分
監督: 萩庭貞明 / Sadaaki HAGINIWA
出演: 竹内力 / Riki TAKEUCHI, 山本太郎 / Taro YAMAMOTO, 川島なお美 / Naomi KAWASHIMA, 結城哲也 / Tetsuya YUKI, 天田益男 / Masuo AMADA, 宇野ポテト / Potato UNO, 井上茂 / Shigeru INOUE, 佐藤蛾次郎 / Gajiro SATO, 内田明里 / Akari UCHIDA, オール巨人 / All Kyojin, 櫻木健一 / Kenichi SAKURAGI, 増田恵子 / Keiko MASUDA, ぜんじろう / Zenjiro, 山本竜二 / Ryuji YAMAMOTO, 鍋島浩 / Hiroshi NABESHIMA, 山之内幸夫 / Yukio YAMANOUCHI
ジャンル: ドラマ
鑑賞方法: DVD

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