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Saturday, January 26, 2013

難波金融伝ミナミの帝王 #54 賠償金の行方 / The King of Minami #54

★★

2005年製作のシリーズ第54作目。一連のシリーズ作品の製作を担ってきたKSSだが、製作にクレジットされるのは本作が最後のようだ。銀次郎の取り巻きは、前作から登場した探偵の美咲に舎弟の真、ヤーさんの沢木組長と広瀬はんは変わらず。債務者にはシリーズ第23作目『長編版』以来の出演となる大沢あかね。と言っても当時は子役だったが。悪党にはシリーズ第16作目の『偽装結婚』でエゲツないスナックのママを演じていた春やすこが、今回もぼったくりスナックの欲の塊のような極悪ママを演じており、その片棒にシリーズ第40作目の『裏金略奪』以来の出演となる元プロボクサーの薬師寺保栄。

今回はこれといった金融屋的なテーマが無いヒューマンドラマ系ストーリー。石橋ラーメンといえば大阪一のラーメンと有名だったが、今ではすっかり味も落ち、店には閑古鳥が泣いている始末。店主の石橋は元一流ホテルの調理人でありながら、食中毒が原因で解雇されたのだが、銀次郎に借金をしてラーメン屋を始め、どん底から這い上がった男。しかし、ある日暴漢に金属バットで襲われ大怪我を負って以来、店には立っていない。犯人は分かっており、民事裁判で損害賠償金支払いの判決も確定していたが、欲の塊のような犯人の母親は賠償金を一切払おうとせず…。

春やすこ演じる守銭奴の女がやたら憎たらしく、またこういう役に春やすこがピッタリで、キャスティングが秀逸。最後のキリ取りは少々エゲツない詐欺まがいのような手法だったが、銀次郎一流の中途半端なガキに対する教育方法だろうか。最後は珍しく悪党を足蹴にした銀次郎の怒りの奥に、ミナミの鬼の優しい一面を垣間見ることが出来る。ブラバスSLのオープントップを閉めつつ真を置き去りにするラストが何だか格好いい。(SS)


製作: 2005年 日本82分
監督: 萩庭貞明 / Sadaaki HAGINIWA
出演: 竹内力 / Riki TAKEUCHI, 桐谷健太 / Kenta KIRITANI, 岩崎ひろみ / Hiromi IWASAKI, 結城哲也 / Tetsuya YUKI, 天田益男 / Masuo AMADA, 宇野ポテト / Potato UNO, 佐藤正宏 / Masahiro SATO, 大沢あかね / Akane OSAWA, 吉岡毅志 / Takeshi YOSHIOKA, 牧田麗子 / Reiko MAKITA, 山本志づ世 / Shiduyo YAMAMOTO, ぼんちおさむ / Osamu BONCHI, 薬師寺保栄 / Yasuei YAKUSHIJI, 松澤一之 / Kazuyuki MATSUZAWA, 春やすこ / Yasuko HARU, 山之内幸夫 / Yukio YAMANOUCHI
ジャンル: ドラマ
鑑賞方法: DVD

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