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Friday, January 18, 2013

探偵はBARにいる / The Detective is in the Bar



札幌在住の作家、東直己の原作小説バーにかかってきた電話を映画化した作品。主演の探偵『俺』に大泉洋、相棒兼運転手の高田に松田龍平を配し、探偵のモノローグ形式で綴るハードボイルド作品。札幌最大の歓楽街ススキノが舞台の本作は、設定が冬なため雪の札幌のシーンが多く出てくる。また、探偵役の大泉洋も北海道出身で、水曜どうでしょうなど、長らく道内で活動をしてきた俳優であるため、北海道人には嬉しい作品。

舞台はススキノ。この街を知り尽くした探偵の『俺』と相棒の高田はいつものとおり、行きつけのバー『ケラー・オオハタ』で酒を飲みつつ、オセロに興じていた。『俺』は特定の事務所を持たず、連絡手段はバーへの電話のみ。ある夜、『コンドウキョウコ』と名乗る女から仕事の依頼があった。奇妙な依頼だが、簡単な仕事だと踏んだ探偵は早速次の日に依頼を遂行するも、その直後、拉致された挙句に雪に埋められ危うく死にかけてしまう。怒りに燃える探偵だが再び『コンドウキョウコ』から依頼の電話が…。その奇妙な依頼をこなしつつも、自分を拉致した人間たちへの報復に燃える探偵。調査を進めると次々と不可解な事件が浮かび上がってきた。『コンドウキョウコ』とは誰なのか、それぞれの事件は繋がっているのか。事件は意外な形で結末を迎える…。

冒頭でハードボイルド作品と書いたが、随所にユーモアも織り交ぜつつ、ストーリーは展開していく。というより、かなりユーモアの量が多いのだが、だからといって決して笑い溢れる作品という訳ではなく、かなりハードな残虐シーンやアクションを混ぜつつ、ウィスキーとタバコの煙が漂うハードボイルド路線を堅実に保持する絶妙なバランスが秀逸。主演の大泉洋の演技や立ち振舞が観ていて安心でき、ノンビリとした相棒を演じる松田龍平との対比の妙が心地良い。探偵がいつも朝食を取る喫茶店の店員やバーのマスターなど、余計な説明が無いのも良いところ。ラストシーンでは、探偵から依頼者のモノローグ形式に変わって、事件の真相を一気に明かしてしまうところが、2時間サスペンス・ドラマのようで頂けないが、久々に面白い邦画を観たという感想は揺らがない。2013年5月に公開予定の続編が待ち遠しい。(SS)


製作: 2011年 日本 125分
原作: 東直己 / Naomi AZUMA『バーにkかってきた電話』
監督: 橋本一 / Hajime HASHIMOTO
出演: 大泉洋 / Yo OIZUMI, 松田龍平 / Ryuhei MATSUDA, 小雪 / Koyuki, 西田敏行 / Toshiyuki NISHIDA, 田口トモロヲ / Tomoro TAGUCHI, 波岡一喜 / Kazuki NAMIOKA, 有薗芳記 / Yoshiki ARIZONO, 竹下景子 / Keiko TAKESHITA, 石橋蓮司 / Renji ISHIBASHI, 松重豊 / Yutaka MATSUSHIGE, 片桐竜次 / Ryuji KATAGIRI, カルメン・マキ / Carmen MAKI, 吉高由里子 / Yuriko YOSHITAKA, 高嶋政伸 / Masanobu TAKASHIMA
ジャンル: サスペンス, アクション, ハードボイルド
鑑賞方法: DVD

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