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Tuesday, March 25, 2014

天地明察 (映画)

★☆

冲方丁(うぶかたとう)の同名小説『天地明察』を映像化。それまで中国から伝えられた暦をそのまま使用していた江戸時代にあって、日本独自の暦を作るという壮大な事業に取り組んだ安井算哲の功績を描いた作品。監督に滝田洋二郎。主演はジャニタレの岡田准一。共演にもジャニタレの横山裕。他、笹野高史や宮崎あおい、珍しいところでプロレスラーの武藤敬司など。

将軍に囲碁を教える囲碁指南役の名家に生まれた安井算哲は、碁方よりも星の観測や算術の問題を解くことに一生懸命な青年であった。ある日時の将軍、徳川家綱の後見人である会津藩主の保科正之は、そんな算哲に日本全国において北極星の角度を計測し、その結果から緯度を決定する『北極出地』の任を命ぜられる。数年後、無事に北極出地を完了して帰京した算哲を次に待っていたのは、800年もの間使われていた中国暦のズレを修正し、新たな日本独自の暦を作るという壮大な事業の総責任者という大役であった。来る日も来る日も星や太陽の運行観測を行い改暦作業に取り組む算哲であったが、一方、暦を権威の象徴と考える朝廷は暦からすれば改暦作業そのものが目障りなことであった…。

基本的には史実に則ったストーリーであり、墨田本所の天体観測所が襲撃されるシーンやサブストーリーである本因坊道策との囲碁打ち、やり過ぎ感を感じる算哲の切腹シーンなど、エンターテイメント的脚色は多少あるが、地球が丸いことや時差という概念すら無かった江戸時代において、肉眼で太陽や月の運行を記録し、日食や月食を科学的に予測する手法がじっくりと正確に描かれていて、史実としても時代劇としても見応え充分。ただ、北極出地にて使用した北極星の角度計測器をピタリと止めるダイヤル部分に21世紀の3/8鉄製ネジがチラリと見えたシーンで少々がっかり。(SS)


製作: 2012年 日本 141分
監督: 滝田洋二郎 / Yojiro TAKITA
原作: 冲方丁『天地明察』 
出演: 岡田准一 / Junichi OKADA, 宮崎あおい / Aoi MIYAZAKI, 佐藤隆太 / Ryuta SATO, 市川猿之助 / Ennosuke ICHIKAWA, 横山裕 / Yu YOKOYAMA笹野高史 / Takashi SASANO, 岸部一徳 / Ittoku KISHIBE, 市川染五郎 / Somegoro KISHIBE, 武藤敬司 / Keiji MUTO, 中井貴一 / Kiichi NAKAI, 松本幸四郎 / Koshiro MATSUMOTO
ジャンル: ヒストリー, ドラマ
鑑賞方法: Blu-ray

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