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Monday, March 10, 2014

ブラッド・ワーク (映画) / Blood Work (film)



マイケル・コナリー原作わが心臓の痛み (原題: Blood Work)をクリント・イーストウッドが監督、製作、主演の3役で映像化。コナリー原作の映像化作品ではリンカーン弁護士が近作かと思うが、大ヒット作とは言えないもののアウトローの弁護士が活躍する見応えある作品だったのを思い出す。これに、ここ最近は俳優よりも監督業の方が板についてきた、と言えるほどヒット作を飛ばすイーストウッドとの組合せは非常に楽しみだが、主演こそイーストウッド自身が務めるものの、共演俳優陣はジェフ・ダニエルズくらいが有名所であとは華がない。本作の出来にはあまり関係ないが、予算が足りなかったのだろうか。

FBIの心理分析官だったテリー・マッケイレブは2年前、連続殺人犯のコード・キラーを追跡中に心臓発作で倒れてしまい犯人を捕り逃してしまう。その後、心臓移植手術を行い一命を取り留めたテリーはFBIを退職して隠居生活を送っていたが、そんな彼の前にある日、グラシエラと名乗る女性が突然現れ、自分の姉を殺害した犯人を探してほしいとテリーに依頼する。しかし、FBIを引退し静かな生活を送っていたテリーは彼女の依頼を断るが、彼女はテリーの心臓がその殺された姉のものであると伝える。自分の心臓に絡む事件だけに、テリーは自分なりに事件の調査を行うべく警察へ足を向けたが、更に捜査を進めると意外な事実が発覚する…。

撮影当時で既に72歳という高齢は見た目にも誤魔化せず、心臓病で2年前に引退したFBI捜査官をイーストウッド自身が演じるのは少々無理があるが、本作が持つ落ち着いた雰囲気と急がず無理をしない大人のスピード感で展開するストーリーに何気にマッチしているのは監督としてのイーストウッドの手腕か。所轄の刑事が見つけられなかった事実を次々と発見していくテリーだが、正直なところ"テリーが気付いた"というよりも"所轄刑事の捜査が杜撰だった"というのが正しいところ。所轄刑事を必要以上にバカっぽく描いているのはそんな理由からだろう。こうした設定やテリー自身に絡んでくる色恋話などが、前述した落ち着いた雰囲気とスピード感にマッチしていないのが残念なところ。(SS)


製作: 2002年 アメリカ 110分
原作: マイケル・コナリー / Michael CONNELLY『我が心臓の痛み (原題: Blood Work)』
監督: クリント・イーストウッド / Clint EASTWOOD
製作: クリント・イーストウッド / Clint EASTWOOD
出演: クリント・イーストウッド / Clint EASTWOOD, ジェフ・ダニエルズ / Jeff DANIELS, ワンダ・デ・ヘスース / Wanda De JESUSティナ・リフォード / Tina LIFFORD, ポール・ロドリゲス / Paul RODRIGUEZ, ディラン・ウォルシュ / Dylan WALSH, アンジェリカ・ヒューストン / Angelica HUSTON
ジャンル: サスペンス, ドラマ
鑑賞方法: Blu-ray

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