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Monday, March 24, 2014

スリーパーズ (映画) / Sleepers (film)



ロレンツォ・カルカテラによる同名小説の映画化作品である本作は、主人公の名が"ロレンツォ・カルカテラ"である事から推察されるとおり、原作者自身が経験した事実に基づく物語であると、作品冒頭でも述べられている。ほんの些細な出来心から起こした悪戯により4人の少年の人生が大きく変えられていくストーリーはまさに『事実は小説よりも奇なり』。主演にジェイソン・パトリック、ブラッド・ピット。共演にはロバート・デ・ニーロにダスティン・ホフマンと豪華な顔ぶれにも注目したい。

ニューヨーク・マンハッタンのある暑い夏の日。ふと目に入ったホットドッグの屋台を巡る些細な悪戯により過失傷害事件を起こしたロレンツォ、マイケル、トミー、ジョンの4人の少年達。送致された少年院で彼らを待っていたのは看守による性的虐待の日々だった。心に深い傷を負った4人の少年たちは、虐待の事実をそれぞれの心の奥底にしまい込むことにした。それから数年後。大人になったジョンとトミーは、ふと立ち寄ったバーで偶然に看守と出会ってしまう。かつて自分たちを虐待した看守を目の前にしたジョンとトミーはある決意をする…。

青春ドラマであり法廷サスペンスでもあるがいずれも中途半端。マンハッタンの少年時代に長い時間を割くもその中身は薄く、少年達の人物像はぼんやりとしたまま。少年院時代についても残虐性が意図的に抑えられて描かれているようで、どっちつかずの展開に少々ジリジリする。さらに、少年院を出た後から大人になるまでの間は完全に省略されているので、観ている側としては大人になった4人の境遇を単純に受け入れるしか無い。やがてドラマは突然に復讐劇へと変わり、山場の法廷劇場を迎えるが、前述したような中途半端感からか否か、俯瞰図でも観ているような感じがして感情移入する向きは全く感じられない。最後の法廷ロジックは浅はかで、最後まで入り込めない作品。(SS)


製作: 1997年 アメリカ 147分
監督: バリー・レヴィンソン / Barry LEVINSON
原作: ロレンツォ・カルカテラ / Lorenzo CARCATERRA『Sleepers』
出演: ジェイソン・パトリック / Jason PATRIC, ブラッド・ピット / Brad PIT, ロン・エルダード / Ron ELDARD, ビリー・クラダップ / Billy CRUDUP, ロバート・デ・ニーロ / Robert De NIRO, ダスティン・ホフマン / Dustin HOFFMAN, ケヴィン・ベーコン / Kevin BACON, ヴィットリオ・ガスマン / Vittorio GASSMAN
ジャンル: サスペンス, ドラマ
鑑賞方法: DVD

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