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Friday, March 21, 2014

震える牛 (TV)



偽装牛肉やBSEなど社会を騒がせた食品問題をテーマとした相場英雄の同名ベストセラー小説震える牛』のWOWOWによる映像化作品。2011年の下町ロケット(ドラマ)などWOWOW+三上博史の組み合わせが多いようだが、本作も同様で主演の刑事に三上博史。WOWOW制作のドラマを観るのは本作が初めてだが、前述の下町ロケット(ドラマ)パンドラなど、いずれの作品も評判が高く、WOWOWのオリジナルドラマに対する印象は高い。共演には、小林薫、小野寺昭、吹石一恵など。

警視庁継続捜査班の田川は、5年前に中野駅前の居酒屋で起きた強盗殺人事件に疑問を抱き再捜査を始めた。事件は覆面姿の犯人が店員から金を奪い、店の奥にいた獣医師や暴力団関係者を殺害したというもので、捜査初期段階では金目当ての外国人による犯行で怨恨の線は無いとされたが、田川の捜査の結果、二人の被害者ともに食肉加工会社のミートボックスに関わっていたという共通点が見つかる。金目当てではなく2人の殺害が犯人の真の目的ではないかと疑いを持った田川。一方、報道記者の鶴田もミートボックスの食品偽装疑惑を追っていた。一見、無関連の殺人事件と食肉偽装事件の裏には、巨大企業の嘘が隠されていた…。

迷宮入りしていた殺人事件の再捜査がいつしか食肉偽装やBSEといった社会的問題に波及する、派手さの少ない硬派な作品に仕上がっているが、警察と報道機関という公私の両面から迫る謎解きの面白さや、最後のトリック的な要素もしっかり織り込んでおり、エンターテイメントとしても優秀。キャスティングも秀逸で、特に悪役の古田新太が持つ天然の気持ち悪さが食品偽装を行う社長の役にピッタリとハマっている。個人的には秀逸なドラマといえばNHKだったが、WOWOWも全く侮れない。(SS)


製作: 2013年 日本 WOWOW
原作: 相場英雄 / Hideo AIBA『震える牛』
監督: 鈴木浩介 / Hiroyuki SUZUKI
出演: 三上博史 / Hiroshi MIKAMI, 吹石一恵 / Kazue FUKIISHI, 小野寺昭 / Akira ONODERA, 平山浩行 / Hiroyuki HIRAYAMA, 小林薫 / Kaoru KOBAYASHI, 木村文乃 / Fumino KIMURA, 古田新太 / Arata FURUTA, 温水洋一 / Yoichi NUKUMIZU, 遠藤要 / Kaname ENDO, 羽場裕一 / Yuichi HABA, 佐野史郎 / Shiro SANO, 竜雷太 / Raita RYU
ジャンル: サスペンス
鑑賞方法: DVD

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