Search This Blog

Tuesday, March 25, 2014

下町ロケット (TV)



慶応大学法学部卒業後に元銀行員の経験を生かしたミステリー『果つる底なき』や半沢直樹シリーズなど、ヒット作を送り出し続ける池井戸潤の小説下町ロケットをWOWOWが映像化。ちなみに池井戸潤はAmazon.co.jpあ行の著者のベストセラー1位である。主演は何故かWOWOWドラマの主演最頻出俳優の三上博史。共演には渡部篤郎、寺島しのぶなど。

日本のモノづくり中小企業の一大集積地である東京都大田区。精密機械の製造を手掛ける佃製作所の2代目社長である佃は、主要取引先である京浜マシナリーから突然取引終了の通知を受ける。当面の運転資金を手当するためメインバンクに融資を申し込むが、業績見通しの不透明さから渋られてしまう。そこに追い打ちをかけるように、精密機械製造大手のナカシマ工業から佃製作所の主要製品に関する特許侵害で訴えられてしまう。メインバンクからの融資が無い状況下で、特許裁判が長期化すれば会社の倒産は避けられない状況まで追い込まれたそんな矢先、日本の重工業界を代表する帝国重工より佃製作所が保有する特許を20億円で買取りたいというオファーが舞い込む。20億という大金は直面する会社存続の危機を乗り切るには十分すぎるほどであり、幹部社員は当然このオファーを受けるものと思っていたが、社長の決断は予想外のものだった…。

個人的にWOWOW製作のドラマには外れがないのだが、本作はラストのエンディングまで手抜きは勿論のこと一切のムダもなく、WOWOWドラマ史上最高傑作と言っても過言ではない完成度 (ドラマWを全部見たわけではないのだが)。三上博史の独特の演技は過去にWOWOWで演じた刑事役よりもこういった熱い男の役が良く似合うし、渡部篤郎の熱いエンジニア役も最高の適役。一方、敵役に升毅、眞島秀和や佐藤二朗という配役も絶妙で、キャスティングの妙が光る。

『手作業は所詮手作業。人間の感覚なんて思ってるほどあてにならない。』モノづくりに関わる者にあるまじき発言に喰い付く、佃の社員達の熱さが観ているこちらにも伝わってくる。大なり小なりエンジニアリングに関わってきた人間ならこのストーリーはたまらないはず。本作を観て泣かない奴はエンジニアに向いていないと断言する。(SS)


製作: 2011年 日本 WOWOW
監督: 鈴木浩介 / Hiroyuki SUZUKI, 水谷俊之 / Toshiyuki
原作: 池井戸潤 / Jun IKEIDO『下町ロケット』
出演: 三上博史 / Hiroshi MIKAMI, 寺島しのぶ / Shinobu TERASHIMA, 渡部篤郎 / Atsuro WATABE, 池内博之 / Hiroyuki IKEUCHI, 綾野剛 / Go AYANO, 升毅 / Takeshi MASU, 田村亮 / Ryo TAMURA, 光石研 / Ken MITSUISHI, 堀部圭亮 / Keisuke HORIBE, 古谷一行 / Ikko FURUYA, 佐藤二朗 / Jiro SATO, 螢雪次朗 / Yukijiro HOTARU, 小木茂光 / Shigemitsu OGI
ジャンル: ドラマ
鑑賞方法: DVD

No comments:

Post a Comment