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Thursday, August 9, 2012

ゴッドファーザー Part II / Mario Puzzo's the Godfather: Part II



マフィア映画の金字塔「ゴッドファーザー」の第2作。ドン・ヴィト・コルレオーネ亡き後のコルレオーネ・ファミリーを継ぎ、新たなドンとなったマイケル・コルレオーネの苦悩と、父ヴィトのシシリーの少年時代からニューヨークでファミリーを築くまでのエピソードを交えて描く。

ニューヨークから西部のネバダに拠点を移したマイケル。稼ぎの殆どはラスベガスのカジノとホテルによるものである。物語は、マイケルの息子、アンソニーの初聖体式を祝うパーティーから始まる。パーティーの終わったその夜、マイケルと妻のケイがいる寝室に何者かが銃を乱射し、マイケル暗殺を企てた。幸い無傷で済んだマイケルは、家族を守るためトムに全件を託し、ユダヤ系マフィアのハイマン・ロスと出会う。一方、父親ヴィト・コルレオーネの若き日の物語はイタリア、シシリー島でのヴィトの父親の葬式のシーンから始まる。マフィアのドン・チッチオに反抗したばかりに殺されたヴィトの父親だったが、復讐を誓った兄に続き、ヴィトを守るため命乞いに行った母親まで殺されてしまう。まだ、9歳のヴィトは村人により囲われ、ニューヨークへと渡る。そして、リトル・イタリーで家族を守りながら様々な仕事をし、若き日のクレメンザや次第にコルレオーネ・ファミリーの基礎を築いていく。

華やかなパーティーと暗いマイケルの執務室の対比は、前作の冒頭シーンを思い出させる。若き日のヴィト・コルレオーネのストーリーだけで1作品出来そうな濃い内容。ヴィト役のロバート・デ・ニーロの鮮烈さが強烈な印象を残し、個人的にはそちらを掘り下げた別枠のストーリーが観たいとも思う。物語は時系列では無く、幾分複雑ではあるが、良く考えられた良質な脚本。シシリーの映像は美しく、20世紀初頭のリトル・イタリーを再現した街並みも素晴らしい。一方、現代のマイケルは苦悩の日々が続く。何よりも家族を大切にするようヴィトに教えられたマイケルが選択した決断は重く、闘いに勝利するが、全てを失ったマイケルがうつむくラストシーンは切ない。ところで、個人的にはマイケルの腹心で、リチャード・ブライト演じるアル・ネリが好きだ。彼はPart IからPart IIIに至る全ての作品で、重要なシーンで必ず登場する影の中心人物である。マイケルがいるところには常に彼がいる。トムやコニーよりも出演頻度は高い。マイケルがアルに向かって頷いた時。それが意味するところは、もはや言うまでもあるまい。

前作を上回る200分の大作。少々間延びした感が無くもないが、スペクタクル映画ほどのダラダラ感は微塵もなく、前作に続きアカデミー賞を受賞した本作もまた、間違いなくマフィア映画の金字塔である。(SS)


製作: 1974年 アメリカ 200分
監督: フランシス・フォード・コッポラ / Francis Ford COPPOLA
製作: 
出演: アル・パチーノ / Al PACINO, ロバート・デ・ニーロ / Robert De NIRO, ロバート・デュヴァル / Robert DUVALL, タリア・シャイア / Talia SHIRE, ダイアン・キートン / Diane KEATON, リチャード・ブライト / Richard BRIGHT
ジャンル: ドラマ, クライム, マフィア
鑑賞方法: DVD


  Acoustic Wave music system II

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