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Monday, May 21, 2012

アウトレイジ / Outrage

☆ 

冗談ではなくて血圧が高い人にはお勧めできない、北野武監督のバイオレンス作品。ストーリーは至極単純、というか仁義も義理も人情もヘッタクレも無く、映画の進行上はほとんど関係ない。言うならば、暴力と猟奇的な殺人をスクリーンに映して人々怖がらせる事が本作の意義だといって良い。私にとっての北野作品は大体そうなのだが、後味があまり宜しくない。そして容赦無い暴力シーンが記憶の断片となって脳に残る。本作は昼飯を食べながらブルーレイで鑑賞したのだが、少し後悔してる。

「全員悪人」とは本作のキャッチコピーだが「全員馬鹿」でも良いかな。最も悪どいのが最後まで生き残るのだが、決して賢くて生き残った訳じゃないので。個人的には、加瀬亮の存在がどうにもしっくりこない。服装も言葉遣いも怖い人なのだが、雰囲気が天然の良い人。正直言ってミスキャストかなと思う。それに対し、椎名桔平や小日向文世が醸しだす悪人の雰囲気はなかなか秀逸で、それに三浦友和が続く。警察署長のイメージがちらつくヤクザ会長はちょっと残念。

カンヌ国際映画祭ではマスコミ向けのプレビューで、開始当初から席を立つ人が続出したという。何が故に席を立ったのかその理由は私には知る由もないが、きっとつまらないからではなくて、暴力シーンが正視に耐えられなかったのだろう。もしそうならば、本作の目指すところは伝わっていたに違いない。(SS)


★★☆ 

ヤクザ映画は好きなのだけど、アウトレイジを観て私はVシネ的ヤクザ映画が好きなんだと思った。ちょっと笑っちゃうようなダサい決め台詞も無ければ間抜けなエロシーンも無し。力の抜けない混じりっけなしのヤクザ映画に鑑賞後は世の中って怖いんだなぁぁぁって震え上がっちゃう。

権力争いが発展して結局最後はみんな死んじゃうパターンなんだけど、殺され方や暴力シーンの描写がとっても猟奇的。椎名桔平演じる水野の殺され方も車の助手席に座らせて袋を被せ、首をロープで絞めた上にその長いロープの先を道路脇に括りつけて高速で発車するとか、意図もよくわからないおぞましさ。袋の中はどうなっちゃってるわけ。。

そしてまぁみんなよう吠える。凄んで怒鳴って指まで落とす。警察署前で水野が警備に対する馬鹿にした態度や密売ラーメン屋でヤクザに気付かない客への不敵な笑みとか、もぅじわじわ怖い。

借りてきた黒人俳優と、白ジャージが浮いてる三浦友和演じる加藤以外はとってもバイオレンスでちびりそうなヤクザ映画でした。(YS)


製作: 2009年 日本 109分
監督: 北野武 / Takeshi KITANO
製作: 森昌行 / Masayuki MORI
出演: ビートたけし / Beat Takeshi, 椎名桔平 / Kippei SHIINA, 加瀬亮 / Ryo KASE, 石橋蓮司 / Renji ISHIBASHI, 三浦友和 / Tomokazu MIURA, 小日向文世 / Fumiyo KOHINATA, 北村総一朗 / Soichirou KITAMURA, 中野英雄 / Hideo NAKANO, 杉本哲太 / Tetta SUGIMOTO, 國村隼 / Jun KUNIMURA
ジャンル: ヤクザ, R15+
鑑賞方法: Blu-ray


 

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